財政難の町が募集した11施設の命名権、応募「ゼロ」…市川三郷町「1社でも問い合わせを」

生涯学習センター
市川三郷町は財政難に直面しており、町施設の命名権をスポンサーに募集しましたが、応募が一つもなかったことが分かりました。この問題を解決するため、町は再募集を行う予定で、町内の企業に直接応募を呼びかけることも考えています。

命名権の募集が失敗

町は温浴施設「つむぎの湯」や伝統工芸・文化の継承を目的とする「地場産業会館(印章資料館)」、「歌舞伎文化公園」など、11か所の施設の命名権を募集していました。命名権の契約金は、施設の管理費に充てられる予定です。

市川三郷町の財政難

市川三郷町は人口減少や地場産業の衰退により財政難が続いています。将来負担比率は124.2%(2021年度)で、県内の市町村で最も高い数値です。

再募集の決定

命名権の募集は、新たな財源を探すために行われました。隣接する富士川町が町ますほ文化ホールの命名権を「はくばく」に売却した事例などを参考にしています。最低額は50万〜100万円で、ホームページ上でスポンサーを募集していました。

再び命名権を募集

しかし、どの施設に対しても応募がなく、町政策推進課は制度が十分に認知されていなかったと分析しています。そのため、町は再募集のための文書を町内の約300企業に送ったり、町職員が企業に出向いて売り込む予定です。町は「少なくとも一つでも問い合わせをいただきたい」と話しています。

課題も存在する命名権

命名権の応募対象には、官製談合事件の舞台となった「生涯学習センター」や利用者数が数百人にとどまる「市川手漉き和紙 夢工房」など、宣伝効果が明確でない施設もあります。

町の経営者は「スポンサーを募集していることさえ知らなかった。病院や駅など重要な施設でなければ企業のブランディングにつながるとは考えにくく、お金を出そうとは思えない」と話しています。

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