ゼレンスキー大統領がレズニコフ国防相の交代を決定、後任はウメロフ氏

ウクライナ国防省、スキャンダルに揺れる中での内閣改造

ウクライナ国防省は調達に絡むスキャンダルで国内から批判を浴びていましたが、ゼレンスキー大統領は3日、レズニコフ国防相の交代を決定したことを発表しました。「現在の国防省は、新たなアプローチや社会との新しい関係が必要な時期」との考えからこの決断を下したのです。

ウメロフ氏が国防相に任命される見通し

ゼレンスキー政権は今年に入り、政府関係者の汚職や権力乱用に直面しており、1月だけで10人以上の政府高官を解任しています。レズニコフ国防相も食料や装備品の調達に関連したスキャンダルに巻き込まれ、野党や市民活動家から政治的責任を求められていました。国民奉仕者党は最高議会で過半数を占めており、レズニコフ国防相の解任を決定しました。後任には国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将が起用される予定でしたが、ウクライナの国防相には民間人が就任する必要があるため、ブダノフ准将の起用は難航していました。

ウメロフ氏、国有財産基金のトップから国防相へ

レズニコフ氏を戦略産業相として起用する案も浮上しましたが、本人が専門知識がないため辞退しました。そのため、後任の候補として国防省情報総局のトップのポストが注目されました。しかし、その誰を起用するかという問題も浮上したため、交代には時間がかかると報じられていました。

ウメロフ氏が後任に指名されることが決定

そうした中、ウクライナメディアはレズニコフ国防相の解任を報道していましたが、ゼレンスキー大統領は3日、レズニコフ国防相の交代を決定したことを発表しました。ゼレンスキー大統領は「彼は550日以上に及ぶ戦争を経験したが、現在の国防省は新たなアプローチや社会との新しい関係が必要な時だと考えている」と述べ、後任にはウクライナ国有財産基金のトップであるルステム・ウメロフ氏を指名する予定です。

レズニコフ氏の功績とゼレンスキー大統領への影響

レズニコフ氏は弁護士の出身であり、ゼレンスキー政権の国防相として透明性を確保するための改革に取り組んできました。また、ロシア軍の侵攻が発生した際には、「自分には軍を指揮した経験がないので勝つために必要なものを教えてくれ、同盟国を説得して必要な物を調達してくるのが私の任務だ」と述べ、榴弾砲、自走砲、HIMARS、防空システム、歩兵戦闘車、戦車、長距離攻撃兵器、戦闘機の移転などを実現させる立役者でした。

ゼレンスキー大統領にとってもレズニコフ氏が政権から外れることは大きな痛手となるでしょう。

※アイキャッチ画像の出典:Oleksii Reznikov

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