国交相ポスト、「公明枠」維持へ 麻生太郎副総裁も留任の方針

内閣改造・党役員人事で「公明枠」確保を固める

自民党の岸田文雄総裁は、月内に実施する内閣改造・党役員人事で、公明党が長年確保してきた国土交通相ポストを引き続き「公明枠」とする方針を固めました。自民党内にはポスト奪還を求める声もありましたが、選挙協力を巡って自民党と公明党の関係に亀裂が生じたため、閣僚枠については公明党への配慮を示すことで、関係の修復を優先することとなりました。斉藤鉄夫国交相の留任も調整されています。また、自民党の麻生太郎副総裁も岸田政権の中枢を支えてきた功績から留任させる方針です。

公明党による長年の独占状態

国交相は建設、運輸、観光行政などを所管し、業界団体にも影響力を持ちます。公明党は自民党とともに政権復帰した2012年から10年以上にわたり、国交相ポストを独占してきました。このため、自民党内で国交相ポストの奪還を求める声が高まっていました。

しかし、自民党と公明党は衆院小選挙区定数の「10増10減」に伴う候補者調整で対立し、今月4日になってようやく東京での選挙協力の復活で合意しました。岸田首相は、自民党と公明党の関係改善を優先する必要性を判断したのでしょう。首相は以前、21年と22年の人事で国交相ポストを自民党に返還するよう公明党に求めた経緯がありますが、公明党側がこれを拒否したことが影響していると考えられます。

麻生太郎副総裁の留任と政権基盤の安定化

岸田首相は今回の党役員人事でも、自民党内の第2派閥である麻生派(55人)を率いる麻生太郎副総裁を続投させ、来秋の党総裁選での再選につなげる意向です。麻生氏を副総裁に据えることで、自民党内の結束を図り、政権基盤の安定化を図ってきました。

また、内閣改造では「デジタル行財政改革」の担当閣僚を新たに置くことも検討されています。岸田首相は6月に、「令和版デジタル行財政改革」を政権の優先課題にすると表明し、デジタル化を推進するために政府内の司令塔機能を強化する考えです。

首相は現在、インドネシア訪問中であり、インドでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席した後、11日に帰国する予定です。首相は11日から13日までを軸に人事を実施する意向を周囲に示していますが、調整状況によっては25日以降に先送りされる可能性もあります。

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