経済減速の中国、米国の追い抜きは難しい? 米メディアが成長率の低下を指摘

上海証券取引所

中国は世界最大の経済大国である米国を追い抜くことはできないのだろうか? 米ブルームバーグ・エコノミクス(BE)が、中国の国内総生産(GDP)が米国を超えるには2040年代半ばまでかかると予想しているが、その実現確率は低いと分析している。

中国の成長の鈍化と人民元相場の下落

中国・上海外国為替市場の人民元相場は7日、対ドルで下落し、通常取引の終値(日本時間午後5時半)が、前日比0.27%安の1ドル=7.3279元となった。これは2007年12月以来、約15年9か月ぶりの安値となる。

中国税関総署が発表した貿易統計によれば、8月の輸出は前年同月比8.8%減の2848億7000万ドル(約42兆円)となった。これは4か月連続のマイナスであり、下落率は7月から縮小したものの、外需の弱含みが続いていることを示している。市場関係者によると、中国経済の先行き不透明感が強まる中で、外需の弱さが鮮明となり、元を売る動きが加速していると説明されている。

BEの報告書にみる中国の成長率の低下

BEによると、景気拡大が続いていた中国は、コロナ禍が始まる前まで、早ければ30年代初頭には中国が米国を抜いてGDP世界1位になると予想されていた。しかし、BEは今週の報告書で、「中国は予想よりも早く、緩やかな成長軌道にシフトしつつある」と分析している。「これはコロナ禍後の景気回復が勢いを失い、深刻な不動産不況と中国政府の経済運営への信頼低下を反映している」と述べている。そして、「自信喪失は固定化するリスクがあり、その結果、成長が永続的に阻害されることになる」とも指摘している。

エコノミストらは現在、中国経済の成長率が30年には3.5%、50年までには1%近くに減速するとみている。これは従来の予測であるそれぞれ4.3%と1.6%を下回っている。

昨年、中国経済は3%上昇したものの、コロナ対策と財産危機により、ここ数十年で最も低い成長率となった。それでも経済活動が全面的に再開されたことで、今年は景気が回復するという期待がもたらされた。

しかし、輸出の落ち込みと不動産不況の深刻化により、回復は勢いを失っている。輸入も7.3%減の2165億1000万ドルで、6か月連続のマイナスとなっている。中国で不動産不況が深刻化しており、内需も力強さを欠いている。輸出入を合わせた総額は8.2%減少し、多くのエコノミストも24年の成長予測は5%をさらに下回る水準になると予想している。

この記事の元のリンク: 日本ニュース24時間

Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/9a60b03bc907fd2162fa5f8e471c5d50320ece89