1923年9月1日の関東大震災に関して、「朝鮮人が毒を入れようとしたのはデマではなく事実」という主張が広まりましたが、これは誤りです。警視庁が発行した『大正大震火災誌』などの震災後の資料によると、朝鮮人による暴動や略奪、投毒などの噂は間違いだったことが確認されています。
主張の検証
拡散されたポスト
「『関東大震災時に乗じて朝鮮人が井戸に毒を入れようとした』のは『流言』ではなく『事実』であったことを日本人は知らねばなりません」という文言とともに、朝鮮人の犯罪を報じたとする当時の新聞記事のリンクを付けたポストが拡散しました（source）。このポストは2023年9月8日時点で210万回以上の閲覧回数と3900件以上のリポストを集めています。
当初、このポストにはコミュニティノートが付いていましたが、現在は閲覧できなくなっています。
検証過程
関東大震災時に朝鮮人による暴動や投毒などの犯罪があったのかについて、2023年8月22日に日本ファクトチェックセンター（JFC）が詳しく解説しています。
朝鮮人による犯罪はあったのか
内閣府が2009年3月に公表した「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書」（第4章第2節「殺傷事件の発生」）によると、関東大震災時に朝鮮人による殺傷事件は記録されていますが、被疑者や被害者が特定できなかったため、起訴はされませんでした。調査書は、朝鮮人による犯罪について「一定の計画の下に脈絡ある非行を行ったとは言えない」と述べており、組織的な犯罪は存在しなかったとしています。
警視庁が1925年に発行した『大正大震火災誌』（国会図書館デジタルコレクション）でも、朝鮮人による犯罪は事実ではなかったことが確認されています。「集団で犯罪を犯したような痕跡はまったくない」「朝鮮人に関する犯罪の噂は明確に間違いである」という記述があります。
関東大震災の被害者が井戸に毒を入れられたと主張する人々に対しては、署長が目の前で井戸水を飲んで証明するなど、事実を示すための行動も取られていたという記録が残されています。
情報元リンク：Yahooニュース
いかがでしたか？関東大震災時の朝鮮人に関するデマを一つずつ検証してみましたが、結果は明らかです。間違った情報が拡散されることはよくありますが、信頼できる情報源を確認することが重要です。過去の出来事に関しても正確な情報を追求する姿勢を持つことが、私たちの理解を深める一助となるでしょう。
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