撮影：ND CHOW
30年以上にわたる俳優のキャリアを持つ大沢たかおさん。彼は自身のモチベーションを問われると、毅然とした答えを返します。
「たった一つだけ。『いいものを作る』ということ。一生懸命やって、少しでもいい作品にして、一人でも多くの人に見てもらって、喜んでもらいたい」
その信念は変わることがないのですが、30年という時間の中で俳優業界は大きく変化しました。特にインターネットの登場は、彼の活動にも大きな影響を与えたと述べています。
「かつて自分を海外で知ってもらうためには、英語を勉強して現地に出向くしか手段はありませんでした。しかし、今は『その作品を見ましたが、こういう仕事に興味はありますか？』という連絡が届く時代です。2015年に私がニューヨークを訪れた際、Apple Storeの店員の方が声を掛けてきて『〈JIN-仁-〉（2009、11）の大ファンです』と言ってくれました。『時代が変わったな』と感じましたね」
撮影：ND CHOW
大沢たかおさんは2005年には『イン・トゥ・ザ・サン』でハリウッド映画に出演し、2018年にはロンドンのウエストエンドでミュージカル『王様と私』にも挑戦しました。海外での活動も積極的に行う彼ですが、配信プラットフォームの普及によって国内向けに制作された作品も世界中で視聴可能となりました。しかし、この状況は彼にとっては「諸刃の剣」だと感じているようです。
「世界中の観客が全てを見られてしまうということです。もはや『日本での成功だけが重要』という考えは通用しなくなるかもしれません。どの国の作品も同じプラットフォームで提供される世界。そうした競争の中で生き残るために、私たちは何をすべきなのでしょうか」と彼は問いかけます。
このインタビューを通じて、大沢たかおさんは日本のエンターテインメント業界における危機感を語りました。彼は変化する時代に対応し、常に新たなチャレンジをし続けることが重要だと強調しています。
記事の出典元: 日本ニュース24時間
