富士山登山者のマナー問題、来季に向けて課題残る

富士山の登山を楽しむ人たち(8月3日、富士宮口新7合目付近で)

山開きから約2ヶ月が経ち、富士山の静岡側3登山道(富士宮、須走、御殿場)は10月10日に閉山となります。富士山は、今年で世界文化遺産登録10周年を迎えたことで、新型コロナウイルスの影響で登山客が減少しましたが、回復しつつあります。ただ、登山者の集中やマナー違反といった問題も再度浮上し、来季への課題が残されています。

閉山日と冬季閉鎖

静岡県によると、3登山道は10月10日午後5時から冬季閉鎖されます。富士宮ルートは6合目から、須走ルートは5合目から、御殿場ルートは新5合目から、それぞれ山頂までの登山道が来年7月まで全面通行止めとなります。富士宮口の5~6合目は、積雪状況などによって閉鎖時期が決まります。県は登山者に対して「閉鎖時刻までに確実に下山してください」と呼びかけています。

登山者数の回復傾向

中間発表によると、今年の登山者数は回復しています。特に静岡側では、開山日から8日間の登山者数が過去10年で最多の水準に達しました。

  • 御殿場口新5合目の登山者数は8月末時点で1万2693人に上り、昨年の全期間(8998人)や2019年(1万2649人)を上回りました。過去最多の1万8557人に迫っています。
  • 須走口5合目は今月5日時点で約2万4000人になり、昨年の全期間(2万226人)を超えました。2019年は3万8800人でした。

マナー問題の再燃

一方で、マナー問題も見逃せません。富士宮市によると、富士宮口5合目周辺で食べ物の残りやゴミが放置されるなど、マナー違反が確認されています。5合目以上は「国立公園特別保護地区」に指定されており、火気厳禁であることやゴミの持ち帰りの重要性が呼びかけられています。

また、富士山総合指導センターには外国人向けのナビゲーターがおり、今年は軽装や無計画な登山のケースが目立つとのことです。静岡県警によると、山岳遭難者数も増加傾向にあります。

来季に向けた取り組み

静岡県は、登山者の安全対策を考慮し、現在は任意の入山料を義務化する検討を進めています。川勝知事は定例記者会見で、「義務化するのが当然であり、来夏までに料金や義務化の方向性を示さなければならない」と述べました。

富士山は世界的な観光名所であり、多くの人々が訪れます。ですが、その分だけ注意が必要です。来季以降も富士山を守りながら楽しむために、登山者一人ひとりがマナーに気を付けることが必要です。

【ソースリンク】日本ニュース24時間