アップル社が企業紹介の一環として公開した写真が、中国のネット上で大きな議論を巻き起こしています。問題の写真はアップルウォッチのカスタマーサービス部門のスタッフの顔写真で、彼の髪型が微博(ウェイボー)ユーザーらの間で物議を醸しています。なんと、根拠のない非難が続々と寄せられ、「中国人を侮辱している」との声まで上がっているのです。
アップルウォッチ担当者の髪型が問題視される
米オンラインニュース「インサイダー」によれば、アップル社がカスタマーサービス部門に勤務するアップルウォッチ担当者の写真を公開したところ、微博で急速に広がる批判の的となりました。その紹介写真に対するポストの閲覧回数は1億8000万回にも達し、注目ワードのトップに躍り出ました。
問題の写真では、スタッフの髪は1本の三つ編みにされており、これが微博ユーザーらによって「辮髪(べんぱつ)」に似ていると主張されています。彼らは、「西洋の固定観念を中国に植え付けようとしている」「この髪型のスタッフをあえて選んで紹介した」と非難しています。さらに、20世紀初頭に英作家サックス・ローマーが創作した悪役「フー・マンチュー」というキャラクターとの関連性を主張する声も上がっています。
フー・マンチューのイメージとの重なり
フー・マンチューは、辮髪に長く細いひげ、吊り目といったイメージが特徴で、西洋の世界を破壊しようとする陰謀を巡らす悪役として知られています。彼は戦前から多くの映画に登場し、1980年には英俳優ピーター・セラーズが演じた映画「天才悪魔フー・マンチュー」でも知られています。中国国営メディアは過去にも、フー・マンチューの容姿が「深刻な人種差別」だと非難してきたこともあります。
一部のブロガーは、「アップル社の人々は愚かで、中国を貶めたり、辮髪の中国人悪役を描いたハリウッド映画を見たことがあるのかもしれない。それが中国人のイメージだと勘違いしているのかもしれない」と述べています。
一部の中国人ユーザーも問題を感じている
上海のメディア会社ペア・ビデオが実施した調査によれば、問題の写真を見た中国人ネットユーザーのうち、少なくとも12万3000人が「不快に感じた」と回答し、5万8000人が「写真に何の問題もない」と答えました。
このような議論が広まる中、アップル社は一体どのような対応を取るのでしょうか。今後の展開に我々は注目していく必要があります。
記事の出典元:日本ニュース24時間