表彰式で無視された黒人体操選手 バイルスも「胸が痛む」

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アイルランドで行われた体操大会の表彰式で、黒人の女子選手だけがメダルを受け取れなかったという出来事がSNS上で話題になっています。この場面は、昨年の大会で撮影された動画で、一列に並んだ女子選手たちの中で、黒人の選手だけが見過ごされてしまったのです。

この出来事について、五輪金メダリストである黒人女子体操選手のシモーン・バイルス選手が旧ツイッターに「胸が痛む」とつぶやいています。バイルス選手は、この動画が拡散されている最中に、当該選手の両親から連絡を受け、ビデオメッセージを送ったことを明かしています。そして、「どんなスポーツにも人種差別があってはならない」と思いを綴っています。

アイルランドの体操協会は、大会後に保護者から人種差別的な行動について指摘を受け、その問題を解決済みであるとの声明を発表しました。協会は、職員による意図的な差別行為ではなく、ミスに気付いた直後に選手にメダルを渡したと説明しています。

しかしながら、選手の母親はインタビューで、苦情が未解決のままであり、謝罪も真摯ではなかったと主張しています。彼女は「体操の大会では私たち家族だけが黒人であることが多い。パキスタンからエチオピアまでの800万人がこの動画を見て、不当な扱いだと理解しているのに、体操協会はそれを認めず、謝罪しない」と訴えています。なお、この動画の閲覧者数は4000万人を超えています。

体操協会はその後の声明で、「このようなことが起きてはならなかった。当日以降の出来事がさらに混乱を招いた」と改めて謝罪しています。

この出来事は、体操競技における人種差別の問題を改めて浮き彫りにしました。スポーツは誰もが平等に参加できる場であり、人種差別や差別的な行為を許してはなりません。日本ニュース24時間では、こうした社会問題に対しても関心を持ち、取り上げていきます。

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