南シナ海のフィリピンと中国の係争海域で、フィリピン沿岸警備隊が中国側が設置したとする障害物を撤去したことを受けて、中国外務省は比側に対し、「もめ事を起こす」のは自粛するよう警告しました。
比沿岸警備隊が障害物を撤去
問題となっているのは、比ルソン島の西240キロに位置し、中国側からは最も近い海南島から約900キロ離れているスカボロー礁(Scarborough Shoal)です。中国側は黄岩島と呼んでいます。
比側は、スカボロー礁の周辺海域で活動する自国漁民に定期的に物資を補給しています。先週、同礁の入り口に長さ約300メートルの障害物が設置されているのが見つかり、比沿岸警備隊が「大統領の指示に基づき」無事撤去したと発表しました。ただし、すべての障害物が撤去されたのかどうかは不明です。
中国外務省の警告
中国外務省の報道官は、「中国は黄岩島の主権および海運上の利権を堅持する」と強調した上で、フィリピンに対し、「挑発したりもめ事を起こしたりするのは慎むよう助言する」と述べました。
これに対し、フィリピンの国家安全保障担当顧問は、障害物は「フィリピンの海運上の権利を侵害」しており、撤去は「権利の十分な範囲内」だと反論しました。
この出来事により、南シナ海の緊張が再び高まったと言えるでしょう。
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