ウクライナ軍、バフムートの奪還へ動き出す!ロシア人は南部での大規模作戦を予測

ウクライナの主要人物たちが次々と「バフムート奪還」を公言する中、ロシア人ミルブロガーが運営するTelegramチャンネルも「バフムート方面の後方地域にウクライナ軍部隊が集結しており、奪還作戦は南部から実施される可能性が高い」と予想している。

ロシア軍によるバフムート制圧作戦とウクライナのバフムート奪還作戦

ウクライナのシルスキー陸軍司令官はBBCの取材に対して、「バフムートを守る戦いで我々は多くの仲間や兵士を失ったため、街の奪還は基本的に名誉の問題だ。素晴らしい街だったバフムートは廃墟になってしまったが、我々はこれを取り戻さなければならない。この街を制圧するため、ワグナーは莫大な人的損失を被ったが、現在のロシア軍はバフムートを起点とする突出部に戦力を集中しているため、『一種の半包囲状態』にあり、この状況を利用しない手はなく、『敵が支払った代償(恐らくワグナーが被った人的被害のこと)』の1/10で街を奪還できる条件が整っている」と語りました。

ウクライナのバフムート街 : ПРЕЗИДЕНТ УКРАЇНИさんからの画像

ゼレンスキー大統領も国連総会に出席し、「バフムートを含む3つの主要都市の占領状態も解除する」と宣言。国防省情報総局のブダノフ中将も「私たちのバフムート奪還作戦はロシア軍のバフムート制圧作戦に良く似ているが、唯一の違いは都市への正面攻撃を行わないことで、我々は都市を包囲してから市街地に入ることになるだろう」と述べ、バフムートには軍事的にも政治的にも最大級の圧力がかかっていることを示しました。

ロシア人ミルブロガーが運営する「Рыбарь/RYBAR」も26日、「バフムート方面の後方地域にウクライナ軍部隊が集結している。敵の部隊が集中する地域を見るとロズドリフカ、リシチャンシク、ザイツェベ、コデマといった方向での攻撃が考えられるが、リシチャンシクやコデマへの攻撃はバフムート奪還作戦の陽動だろう」と指摘しています。

バフムート周辺の戦況

さらに彼らは「この攻撃に特別な戦術的価値はないものの敵にとっては象徴的な意味を持つため、バフムートに対する大規模作戦は南部で実施される可能性が高く、ソレダル方面における戦いのエスカレーション、ベルゴロド方面やブリャンスク方向への攻撃もロシア軍を牽制するためのものだ」と述べ、バフムート奪還の本命ルートは「クリシェイフカ→オプトネ→M03だ」と予想しています。

ロシアにとってもバフムートは冬季攻勢の象徴であり、「戦術的に放棄する」という選択が政治的に難しい状況です。ロズドリフカ→ヤコヴリフカ→ソレダルに進む攻撃や、クルデュミフカ→コデマやザイツェベに進む攻撃は「本命ルートの援護」としても機能し、クリシェイフカ→オプトネ→M03に進むことができれば、バフムートやソレダルを守るロシア軍部隊はウクライナ軍の大釜に捕らえられることになるでしょう。

ウクライナのバフムート街

なお、ロシア軍はバフムートを守るために「準備不足の予備戦力=第25軍」や「他の前線から抽出した戦力」を同方面に投入しています。ウクライナ軍の反撃は「他の戦線の戦力を引き付ける」という役割を果たすことができ、仮にバフムート奪還がブラフだったとしても「有益な嘘」と言えるでしょう。

ブダノフ中将は反攻作戦の推移や冬場の戦いに慣れていることから、戦いが続くことを語っています。一方、訪米中のゼレンスキー大統領はバフムートを含む3つの主要都市の解放を明言しています。

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС Уクраїни (要チェック)

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