「単行本一冊に2000円」は高すぎるのか 「値段聞いて諦めた(泣)」投稿で論争勃発…作家ら続々反応

Image

単行本に2000円は高すぎるのか、それとも――。いま、SNSでこんな論争が巻き起こっています。

「お金の問題で読みたい本を諦めた」

単行本の価格について問題提起したのは、「小説紹介クリエイター」のけんごさんです。TikTokやYouTube、InstagramなどのSNSでおすすめの小説を紹介する動画を投稿し、若年層を中心に人気を集めています。

けんごさんは2023年9月26日、X(旧ツイッター)に「『お金の問題で読みたい本を諦めた』紹介動画にきてたコメントです。それも、頻繁にくるコメントのひとつです」として、自身の動画に寄せられた視聴者からの反応を紹介しました。

以下はコメントの一部です。

「めちゃくちゃ読みたい!! でもこの本2000円もするって聞いて諦めちゃった………(泣き顔の絵文字) わたしに2000円分元取れる読書力があるかって言われたら絶対NOだし(泣き顔の絵文字) 読み終わったらたぶんもう読まないし一回楽しむだけに2000円はちょっとな~~~」

けんごさんはこの意見に共感し、「単行本2000円、やっぱりハードル高いよなぁ」と述べています。また、「簡単に解決できる問題じゃないけど、版元も作家さんも読者も、関わる人全員が幸せになる形で、本を気軽に楽しめる世の中になってほしいものです」と願っています。

「図書館や古本という手段が、うまくその人たちに届くといいなと思う」

この投稿は注目を集め、一般のユーザーだけでなく出版関係者からも様々な声が寄せられました。

ブック・コーディネーターの内沼晋太郎氏は「単行本2000円が高いと感じる人がいるのは当然だ」と述べ、「本を売ったりつくったりする仕事をしてきた人は、〈2000円の壁〉の大きさを、体感的に知っている。2000円を越えると、売れ行きは急に悪くなる」と自身の経験を振り返りました。

内沼氏は「無理矢理にでも1850円+税、のような刻み方をしてきた」と努力を重ねてきたとしながらも、コストや売れ行きの問題で、「どうしても2000円を越えなければ、ある種の本が作れなくなってしまった」と語っています。

また、内沼氏は本の値段とその価値について、「ある目線から見れば、本はとてつもなく安い。2000円で人生が変わり得るのだから。あるいは、こんなに制作原価率が高いのだから。著者が人生を賭けているのだから」と述べ、「けれど高いと感じる人がいるのは当たり前です。若ければなおさらです。お金が足りないけれど読みたい。図書館や古本という手段が、うまくその人たちに届くといいなと思う」とコメントしました。

この論争はまだ続いており、多くの作家や関係者が反応しています。今後、単行本の価格についての議論がさらに広がることが予想されます。

Source link: 日本ニュース24時間