未承認国家「アルツァフ共和国」とは何だったのか。約32年間の歴史に幕を閉じる

アルツァフ共和国の国旗

旧ソ連地域にある未承認国家「アルツァフ共和国」が消滅することが決定しました。1991年の独立宣言をしてから約32年間の歴史に幕を閉じます。

アルツァフ共和国とは?

「アルツァフ共和国」は、アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ地域にある自称国家です。隣国のアルメニアが支援するアルメニア人勢力が1990年代の戦争で勝利して建国しました。

30年以上も独自の政権を樹立して「アルツァフ共和国」として実効支配していました。アゼルバイジャン政府の支配は、これまで及んでいませんでした。

ナゴルノ・カラバフ地域は山梨県ぐらいの広さの山がちな土地で、伝統的にアルメニア系の住民が多く住む土地です。

旧ソ連が崩壊する3カ月前の1991年9月2日、アルメニア人勢力は隣国アルメニアの支援を受けて「ナゴルノ・カラバフ共和国」として独立を宣言しました。

1万7000人の死者を出し、100万人以上が難民になったとされる戦争の結果、アルメニア側がアゼルバイジャンを破り、そこから30年以上も独自の政権が支配していました。2017年以降は「アルツァフ共和国」という国名がメインで採用されています。国旗はアルメニアとほぼ同じ三色旗ですが「くの字」のような白線が加わっています。

ただし、支援しているとみられるアルメニアも含めて、どの国連加盟国からも国家承認を得られていません。

2020年の戦争で支配地域を大幅に減らしていた

アゼルバイジャンは「アルツァフ共和国」の存在を認めず、アルメニア軍が国土を支配していると批判してきました。

英紙ガーディアンによると2020年には2度目の戦争が起き、44日間にわたる戦闘の結果、「アルツァフ共和国」の支配地域は大幅に減少していました。

<出典元リンク>: 日本ニュース24時間