山陽道のトンネル火災、復旧に3か月以上かかる見通し…通行止めで物流や観光に大きな影響

尼子山トンネル

兵庫県西部の山陽自動車道下り線(西行き)の尼子山トンネルで起こった火災の影響により、周辺では長期間の通行止めが発生しています。現在、トンネル内部の損傷が甚大であり、復旧作業は12月以降になる見込みです。山陽道は関西と山口県を結ぶ西日本の主要な幹線道路であり、1日に2万台もの車が利用しています。迂回路は通常の3倍以上の交通量となり、通過には最大で1時間以上の余分な時間がかかります。この通行止めは、日常生活だけでなく、物流や観光にも大きな影響を及ぼしています。

迂回路の渋滞で1時間以上の遅れ

国道2号
(写真:読売新聞)

尼子山トンネルは兵庫県相生市と赤穂市にまたがっています。事件当日、午前1時頃、トンネル内を走行していたトラックから出火し、火は次々に後続車両に広がっていきました。

内部温度は400度以上に達し、黒煙が充満しました。壁面の崩落の危険性があるため、消火活動は外部からの放水に限定され、困難を極めました。鎮火は火災発生から40時間以上経過した6日午後5時半に行われました。火災により23台の車両が焼失し、関連事故により4人が重傷を負いました。

西日本高速道路によると、火災によりトンネル壁面約400メートルが剥がれ落ち、照明や表示板などの設備が使用不能になってしまいました。復旧工事には最低3か月以上の時間がかかる見込みです。

火災後、尼子山トンネルの下り線では播磨ジャンクション(JCT)から赤穂インターチェンジ(IC)までの区間(約13キロ)が通行止めとなっています。

2つの迂回ルート

火災発生以降、尼子山トンネルに代わる迂回路として、山陽道に平行する国道2号や中国自動車道への迂回経路が設定されています。

主な迂回ルートは、トンネルから約9キロ東方にある龍野西ICで国道2号に入り、トンネルから約16キロ西の備前ICで山陽道に再び合流する経路(地図〈1〉)と、播磨JCTから播磨自動車道を経由して中国自動車道に入り、西に向かう経路(地図〈2〉)の2つです。

西日本高速道路によると、通行止め区間に近い国道2号の交通量は火災前の最大3.6倍に増加し、中国自動車道も同じく3.3倍に増加しました。岡山県トラック協会によると、迂回や渋滞の影響で通過には最大で1時間以上の余分な時間がかかるようになったとのことです。

大阪市の男性会社員(40歳)は月に数回、中国地方へ仕事や旅行で訪れることがありますが、国道2号が通行止めとなり、渋滞に巻き込まれることで精神的な疲れを感じていると伝えています。

この記事の情報源はこちら:https://news.yahoo.co.jp/articles/c52f1682128f713ca8836cf4c3a79c19713188b4