男子サッカー北朝鮮代表 日本に敗れ審判に詰め寄った五つの理由 杭州アジア大会

アジア大会の男子サッカー準々決勝で、日本と北朝鮮が激突しました。その結果、2-1で日本が勝利を収めましたが、注目を浴びたのは北朝鮮選手のラフプレーとマナーの悪さでした。試合中に主審の判定に何度も抗議をし、日本の勝利が決まった瞬間にも主審を追いかけ回しました。試合後半には、北朝鮮選手が日本チームの給水に近づいて飲み物を求め、日本チーム関係者を威嚇する場面もありました。なぜ彼らはこんな行動に出たのでしょうか。

理由1:国家養成の重圧

勝利への圧力は、どの選手にとっても同じですが、北朝鮮の場合はその圧力が2倍から3倍にも増します。まず、北朝鮮の選手には「ステートアマ(国家養成選手)」としての重圧があります。かつて故金日成主席が言ったことがあります。「オリンピックに参加することではなく、勝つことに意義がある」と。北朝鮮ではスポーツと戦争の二つしかないとされ、国旗を掲げて争うことが求められています。

オリンピックや世界選手権では、北朝鮮は勝てる種目にしか選手を派遣しません。現在、北朝鮮は金メダル5個、銀メダル9個、銅メダル5個を獲得し、金メダル獲得数では9位です。一方、日本は金メダル29個で3位にランクインしています。北朝鮮は約200人の選手をアジア大会に派遣していますが、日本は約800人と少し多くの選手を派遣しています。北朝鮮はメダル獲得を目指してテコンドーや柔道、射撃などの競技に重点を置いています。サッカーもメダル獲得を期待されたので、北朝鮮はU24代表として出場し、オーバーエイジ枠の3人もフルに使って戦いました。

理由2:国内屈指の人気スポーツ

次に、サッカーは北朝鮮の人々にとって一番親しみと誇りを持つスポーツです。北朝鮮では誰でもボール一つあれば楽しめるサッカーが広く親しまれています。男子サッカー1部リーグは毎年通年で行われており、北朝鮮軍、鉄道省、社会安全省(一般警察)に所属する「4・25」(本拠地・南浦)、「機関車」(同・新義州)、「鴨緑江」(同・平壌)の各体育団がリーグの上位を争っています。北朝鮮は過去に1966年のW杯イングランド大会でベスト8に進出し、2016年のU17女子W杯では優勝するなど、輝かしい戦績を残しています。

北朝鮮のテレビでは、娯楽専門の「万寿台(マンスデ)テレビ」で、国際試合のサッカーの録画放送が必ず流れていました。それだけ注目度も高いのです。このため、選手たちもそれなりのプレッシャーを感じていることでしょう。

このような理由から、北朝鮮代表の選手たちは日本に敗れた後、審判に詰め寄ったのかもしれません。

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