空き家を手に入れて「0円空き家バンク」の補助金50万円も!上市町が移住者増加を目指す

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人口減少に伴い、社会問題化している「空き家」。全国的に対策が進められる中、富山県内では上市町が新たな取り組みを始め、注目を浴びています。その成果として、上市町では転入者が転出者を上回る傾向が見られるようになりました。

「0円空き家バンク」による移住者増加

10月5日、上市町にあるある物件に大阪・寝屋川市在住の原さん一家が訪れました。彼らは家族での帰省ではなく、「0円空き家バンク」制度に登録された物件の内覧のためにやってきたのです。

妻の原尚美さんは、広いキッチンについて「ちょっと変えれば使えるし、食洗機が使えたらありがたいですね」と話しています。原さん一家は現在、大阪で間取り2Kの賃貸住宅に住んでいます。広い空間は1歳の子どもにとっても走り回るのに適しており、周囲も静かで距離感があるとのことです。

原さんはインターネットを通じて「0円空き家バンク」について知り、このような広い土地を見つけるのはなかなか難しいと感じたそうです。彼は大阪出身ですが、子育てと仕事の両立を考えて移住を検討しています。上市町を狙うのは、まさにこのような「若い子育て世代」なのです。

上市町の建設課担当者である金盛敬司さんは、「0円空き家バンク」に登録された物件のうち、10件が契約成立し、32人の移住・定住に結びついたと述べています。自治会の区長も喜んでおり、地域の人々からも期待されていると感じているそうです。

上市町による手厚い補助制度

上市町の人口は、1985年には2万4,000人余りいたものの、2020年には2万人を割り込んでしまいました。周辺の市町村と比べても人口減少率が高く、町は危機感を抱いていました。そのため、2022年度から始めたのが「0円空き家バンク」です。

この制度では、空き家を手放したい人が物件を登録し、町が空き家情報を提供します。そして、それを取得希望者が申し込む仕組みです。1年半で10件の契約が成立し、その半数以上が県外からの移住者です。2009年以来、転入者数が転出者数を上回る状況となっています。

町では「0円空き家」の取得者に対して一律50万円の補助金を支給しています。この補助金は入居後のリフォーム費用などにも充てられます。さらに、移住者を支援するための手厚い補助金制度もあります。若年層や子育て世帯の場合、さらに40~50万円が加算され、中学生以下の子どもについては1人につき20万円、2人の場合には40万円が支給されます。

また、空き家の提供者にも相続手続きなどの補助金があり、負の遺産を減らすメリットがあるのです。

この取り組みによって、上市町では若い子育て世代の移住者が増えてきています。空き家を手に入れて、豊かな暮らしを始めるチャンスです。

参照リンク: 日本ニュース24時間