イスラエルは、ハマスによるロケット弾攻撃と越境侵攻を防げなかったことについて、ネタニヤフ政権と軍に対する批判が高まっています。地元紙ハアレツはこの事態を「歴史的な失敗」と呼び、ネタニヤフ政権の責任を問いました。
ガザの境界での緊迫した状況
「シェルターに静かに隠れて何とか助かった」と、ネタニヤフ政権の失敗を振り返るアミール・ティボンさん(34)は話します。彼は妻と2人の娘と一緒にシェルターに避難し、約10時間後にイスラエル軍に救出されました。しかし、周囲のキブツや集落では住民が殺害されるという悲劇もありました。
救出の遅さに対する批判
イスラエルでは、軍の救出が遅かったとの声も出ています。予備役将官のノアム・ティボンさん(61)は、テルアビブから救出に向かった彼と共にミサイル攻撃を受けたキブツの現場で、軍の対応に疑問を呈しました。今回の事態を検証する必要があると指摘しています。
ネタニヤフ首相に対する厳しい批判
地元紙ハアレツは、この惨事に明確な責任を持つ人物としてネタニヤフ首相を批判しています。昨年発足したネタニヤフ政権は、極右と宗教勢力との連立を組んでおり、史上最も右寄りの政権とされています。ネタニヤフ首相はパレスチナへの強硬姿勢で国民から一定の支持を集めていましたが、今回の失敗でその信用は崩れました。
エフライム・ハレビ元長官は、「ハマスがこれほどのロケット弾を持っているとは思わなかった」と述べ、政権にとって今回の攻撃は予想外だったと語りました。
政権への不満が高まる
ネタニヤフ政権の司法改革に反対する大規模デモや予備役拒否運動が起きていた中、今回の事態で政権への不満が一層高まることは避けられません。ネタニヤフ首相は最大野党のヤイル・ラピド党首やベニー・ガンツ元国防相に緊急の挙国一致政府に加わるよう求めましたが、その動きに対しては様々な意見があります。
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