途上国における日本の衛生技術の重要性 ウガンダでのアルコール消毒剤普及について

ウガンダの学校での手洗いの様子

新型コロナウイルスの流行以来、アルコール消毒剤は出入り口や水回りに欠かせない存在となりました。アフリカのウガンダ共和国では、日本の衛生用品メーカー「サラヤ」が製造するアルコール消毒剤が広まっています。ウガンダには、イギリスの植民地だった歴史から、ジンの仲間の蒸留酒を愉しむ文化が根付いています。サラヤは、「酒の原料があるなら、消毒剤も作れるに違いない」と考え、製品が流通し始めてから約10年が経ちました。その結果、消毒剤そのものが「サラヤ」という名前で呼ばれるようになりました。日本の衛生概念や医療技術が海外の人々の生活を支えているのです。

ウガンダの現状と衛生技術の普及

ウガンダは東アフリカに位置し、人口は約4700万人です。その半数近くが15歳以下の子どもたちです。ウガンダは他のアフリカ諸国に比べて内戦が少なく、比較的安定した状況にありますが、教育を受けていない子どもたちや雇用のない貧困層の人々が多く存在しています。彼らの中には、水を汲むために何キロも歩かなければならない子どもたちもいます。清潔な水や石けんが不足しているため、幼い子どもたちが感染症などで命を落とすケースも少なくありません。

ウガンダでのサラヤの活動は2010年に始まりました。日本ユニセフ協会の手洗い普及事業に協力するため、ウガンダは候補国の一つとして選ばれました。戦後の日本では手洗いの普及啓発が行われ、サラヤはその歴史を持っています。最初は寄付だけを行っていましたが、一時的な取り組みで終わってしまうことを避けるために、日本から石けんなどを送り、現地の小学校や村に設置しました。しかし、それだけでは盗難や破壊のリスクがありました。医療機関には少量の消毒剤がありましたが、それもほとんど使用されていませんでした。

サラヤの取締役である代島裕世さんらはウガンダを訪れ、地元で製造されている「ワラジ」と呼ばれるジンの仲間の蒸留酒に注目しました。この蒸留酒の原料はサトウキビなどで、アルコール度数は約40%です。

実証実験で効果を示した取り組み

医療機関に試験的に設置したアルコール消毒剤

代島さんらは、「ウガンダに『衛生』を根付かせるにはどうすれば良いか」と考えました。そこで彼らは実証実験を行いました。実験では、サラヤが製造したアルコール消毒剤を医療機関に試験的に設置しました。これにより、医療従事者が自身を守るために消毒剤を使用するようになりました。

現地の人々への教育も重要な要素です。サラヤは現地の人々に手洗いや消毒の重要性を啓発しました。特に子どもたちへの教育は重要であり、学校での手洗いの習慣を普及させるために取り組んでいます。

ウガンダにおける衛生技術の普及は、サラヤの取り組みによって大きな成果を上げています。日本の技術と知識が海外の人々の生活を支えることは、誇りに思うべきことです。

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