日本企業社員逮捕と福島処理水、「日中関係の緊張はエスカレート」オーストラリア研究機関が分析

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オーストラリア国際問題研究所は最近、日本と中国の政治・外交交渉が行き詰まっているとの分析を発表しました。これは、日本の福島第一原発の処理水放出や、中国駐在の日本人社員がスパイ容疑で逮捕されたことなどによるもので、日中関係の緊張がますます高まっていることを示しています。

処理水放出は問題に

オーストラリア国際問題研究所は、福島第一原発からの処理水放出は、国際原子力機関(IAEA)によって承認され、科学的根拠をもとに安全であるとされたにもかかわらず、中国政府による激しい日本批判を引き起こしています。しかし、同研究所は、「中国や韓国、台湾をはじめ核施設を持つ多くの国が放射性トリチウムを海に放出していることは周知の事実だ」とも指摘しています。

中国政府は太平洋が「日本の私設下水道」となっていると主張し、食品の安全性への懸念を示して、日本産水産物の輸入を停止しました。これにより、日本の水産物市場は価格下落を経験し、中国向けの魚介類や同調製品の輸出額はゼロになってしまいました。

外交上の争いとサイバー攻撃

日中関係の緊張は、外交上の争いだけでなく、中国のソーシャルメディアでの荒らし行為や無数の迷惑電話にも表れています。中国共産党系タブロイドの環球時報は、日本を「ならず者国家」と呼んでいるほか、日本政府機関や企業もサイバー攻撃の被害に遭っています。これにより、日本政府は処理水放出を続ける方針を示していますが、オーストラリア国際問題研究所は「この問題は今後もくすぶり続ける」としています。

日本企業社員の逮捕とその影響

中国当局は、北京でアステラス製薬の50代の日本人男性社員をスパイ容疑で逮捕しました。日本政府は男性の早期解放を求めましたが、中国側は応じませんでした。このことから、日本企業が中国への進出や投資を抑制する影響が出る可能性があり、日本での中国渡航自粛の動きも広がることが予想されます。

日中関係の緊張はますます高まっており、これからも続く可能性があるため、情勢の変化に注意が必要です。

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