「東京~新大阪」を約2時間半あまりで結ぶ大動脈“東海道新幹線”をめぐって、驚きのニュースが続いています。10月末で「ワゴン販売」が終了するのに続いて、車内の「喫煙ルーム」が来年春にすべて廃止されることが発表されました。なぜこの時期に、新幹線のサービス内容を次々と変更するのでしょうか、その裏側にはJRが抱える特殊な事情が垣間見えます。
8月以降 相次いでサービスが変更・終了に
JR東海などが今年8月以降、新幹線に関する発表や導入を始めたものは、
- 8月8日 車内ワゴン販売を10月末に終了(山陽新幹線は継続)
- 9月13日 年末年始などの繁忙期に「のぞみ」を全席指定に
- 9月30日 「エクスプレス予約」などの料金改定
- 10月12日 「スジャータアイスクリーム」などの自動販売機設置
- 10月17日 来年春から「喫煙ルーム」の廃止を発表
- 10月20日 3列シートの真ん中に仕切り板を設けた「S Work Pシート」本格導入
ダイヤ改正や新車両の導入を契機としたタイミングではないにもかかわらず、JR東海などは相次いで、サービスの終了や変更を打ち出しています。スジャータアイスクリームは「硬いアイス」として人気でしたが、自動販売機の場合、車内販売の時と同じような硬さは維持できず、若干柔らかくなる可能性があるといいます。
コロナ明けで利用者急増 ニーズにも大きな変化
東京と大阪を結ぶ東海道新幹線が収益の柱となっているJR東海は、2020年以降の「コロナ禍」により大打撃を受けましたが、5類への移行や水際対策の緩和によって、状況は急変しています。
外国人観光客の急増も重なり、利用客数が回復する中、新幹線内での利用者のニーズは大きく変わっているといいます。新幹線の中でも「隣の人に気を使うことなく、リモートで仕事をしたい」という要望に応えようとできたのが、「S Work Pシート」です。
また、エキナカにはコンビニエンスストアや総菜・弁当販売店が充実し、車内販売の需要が以前ほど見込めなくなっているといいます。新型車両などは、数年から十年単位のスパンで導入に向けた計画を進めますが、急激な環境変化や利用客のニーズに対応するためには、現存する車両や人員を最大限に活用するため、変革の時を迎えているのです。
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