ウクライナ軍のシルスキー大将は14日、「敵は損害から回復してクピャンスク方面で活発な攻勢を開始した。敵の主要目標はクピャンスクの包囲だ」と主張していましたが、14日から23日までに登場した視覚的証拠により、ロシア軍が活発な攻撃を開始したことが裏付けられています。
敵の戦術は変わらず、ストームZやストームVを送り続ける
東部司令部の司令官であるシルスキー大将は、14日に「敵は損害から回復してクピャンスク方面で活発な攻勢を開始した。敵の主要目標はウクライナ軍を撃破してクピャンスクを包囲し、オスキル川沿いまで到達することだ」と述べていましたが、14日から23日までに登場した視覚的証拠は、シルスキー大将の主張を裏付けるものと言えます。
出典:GoogleMap クピャンスク周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
以下は、登場した視覚的証拠です。
- Ⓐ:ロシア軍がウクライナ軍の自走砲(グヴォズジーカ)を破壊
- Ⓑ:ウクライナ軍が対戦車ミサイルでロシア軍の戦車を破壊
- Ⓒ:ウクライナ軍がライマン・パシーイの建物を砲撃で破壊
-
Ⓓ:ロシア軍がライマン・パシーイ近郊の森林地帯をロケット弾で攻撃
-
Ⓔ:ロシア軍がライマン・パシーイ近郊のウクライナ軍陣地を自爆型ドローンで攻撃
-
Ⓕ:ウクライナ軍がホロビーフカの建物を砲撃で破壊
-
Ⓖ:ウクライナ軍が自爆型ドローンでBM-27を破壊
-
Ⓗ:ウクライナ軍がHIMARSでBM-21を破壊
-
Ⓘ:ウクライナ軍がクラスター砲弾でロシア軍陣地を攻撃
-
Ⓙ:ロシア軍がウクライナ陣地を砲撃
-
Ⓚ:ロシア軍がウクライナ陣地を砲撃
-
Ⓛ:ウクライナ軍が自爆型ドローンでロシア軍車輌を攻撃
-
Ⓝ:ウクライナ軍がロシア軍車輌を破壊する様子
-
Ⓞ:ウクライナ軍が自爆型ドローンでロシア軍戦車を攻撃
-
Ⓟ:ウクライナ軍戦車がロシア軍陣地を攻撃
-
Ⓠ:ロシア軍車輌が味方を轢き殺す様子
-
Ⓡ:ウクライナ軍がロシア軍陣地を砲撃
-
Ⓢ:ウクライナ軍がロシア軍戦車を攻撃する様子
-
Ⓣ:ウクライナ軍がヤヒドネのロシア軍陣地を無人機で攻撃
-
Ⓤ:ウクライナ軍が自爆型ドローンでロシア軍戦車を攻撃
これまでのクピャンスク方面における視覚的証拠は、異例の出来事であり、従来は謎だった「シンキフカ方向の前線位置」が視覚的に確認されたと言えます。キスリフカ方向でも激しい戦闘が発生していることがわかります。
ロシア軍は消耗を前提に攻勢を続ける
ウクライナ軍の報道官は23日、敵の戦術は変わらず、ロシア人にとって兵士の命は無価値だと述べました。そして、肉弾部隊として知られるストームZやストームVをクピャンスク方面に送り続けているとのことです。ウクライナ軍はこれらの攻撃を全て撃退していますが、ロシア人は全土から予備戦力を送り込んで前線突破を試み続けています。
現在のクピャンスク方面は、アウディーイウカ方面ほど緊迫した状況ではありませんが、激しい戦闘が再開されていることは間違いありません。
シルスキー大将は、ロシア軍が再編を完了し、クピャンスクで攻勢を開始したと述べています。このほかにも、アウディーイウカの戦いでクラスノホリフカ南西の高台を失った可能性や、ウクライナ軍がロシア軍に損害を与えても狂ったように押し寄せる状況などが報告されています。
ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、ATACMSの発射シーンを動画で公開しました。
シルスキー大将は、ロシア軍が再編を完了し、クピャンスクで攻勢を開始したと述べています。
以上がクピャンスク方面の最新情報です。この記事のアイキャッチ画像はГенеральний штаб ЗСУからのものです。
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
【参照リンク】