週刊誌からみた「ニッポンの後退」
宝塚歌劇団のいじめは壮絶そのもの。最悪の事態として、ついに「投身」事件が起きてしまった。この隠蔽構図は、ジャニーズ事務所に負けず劣らずのものだ。
宝塚歌劇団の闇に迫る
宝塚歌劇団では、いじめが日常茶飯事となっているようだ。先輩や上級生から後輩や下級生への暴力や陰湿なパワハラが横行しているのだ。
先輩から後輩への挨拶もできない日々
先輩の中尾ミエは後輩の小柳ルミ子に対し、「挨拶もできない」と容赦なくコテンパンにしていたという。しかし、真実は何なのだろうか?
いじめに屈せず、闘い続ける天海祐希
天海祐希はいじめを受けても気にしない強い心を持っていたようだ。「そんなこともあったような……」と、彼女は語る。
贈り物の中には砂やカミソリも
黒木瞳は相手役の大地(真央)のファンからサンドイッチの贈り物を受け取ったが、中には砂が入っていた。さらに、カミソリやわら人形なども贈られることもあったという。
闇の舞台裏、宝塚音楽学校での出来事
2008年、宝塚音楽学校に入学した96期生のSは、同期生たちからの虚偽報告により退学処分を受けた。裁判ではSの言い分が正しいとされ、退学処分は取り消された。しかし、彼女は宝塚の舞台に上がることは叶わなかった。
自宅マンションからの投身、それは宝塚の闇の一端
入団7年目の宙組、有愛きい(25)が自宅マンションから身を投げた。彼女は新人公演のリーダーを務めていたが、上級生たちからの集団リンチのような扱いを受けていたのだ。「マインドが足りない。マインドがないのか!」という罵声にさらされ、その後は別の上級生からも「この嘘つきが!」と面罵されていたという。宝塚という閉鎖的な組織において、女たちのねたみやそねみはエスカレートし、ついに自殺者まで出てしまった。
この事件を報じた週刊文春は、宝塚では「飛び降り」が今回が初めてではなく、5年前の18年6月にも予科生が苛烈なパワハラを苦にバルコニーから身を投げた事件があったことを報じている。宝塚はいわば「飛び降りの名所」となっているのかもしれない。
閉ざされた組織、隠蔽の連鎖
問題は、こうした度の外れたイジメの実態や飛び降り事件が、報道されるまで表に出なかったことだ。なぜなのだろうか?
宝塚歌劇団は不祥事を隠蔽し、外からの指摘には「事実無根」と主張し続けてきた。内情を外部に漏らすことは「外部漏らし」と忌み嫌われ、親や兄弟にさえ話すことは許されないのだという。ネガティブな記事が掲載されると、「外部漏らし」の犯人探しを徹底的に行うそうだ。
この隠蔽体質は、ジャニーズ事務所と同様である。長年の熱烈な宝塚ファンの中には、これらの実態を知っていた者も多いのだ。黒木瞳のケースでも、イジメに加担したファンが存在したのだ。
宝塚は、美しい舞台の裏には「醜い悪の花園」が広がっていたのだ。
元木昌彦/週刊現代、フライデー元編集長
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