ブラジル南部サンタカタリーナ州バルネアリオ・カンボリウ市で、アルツハイマー病を患う91歳の女性が自宅アパートで息子(69歳)が10日前に亡くなっていたと気付かずに過ごしていたという事件が起きました。23日付のテラ・サイトなどの報道によれば、アパートから悪臭がすると近隣住民が気付き、行政の職員が駆けつけて女性を救助しました。
救助の経緯
住民からの近隣からの相談を受け、精神保健プログラムの職員が現場に駆けつけました。彼らがアパートに入ると、ソファーに横たわっていた男性の遺体が発見されました。この男性は発見された時点ですでに7日から10日前に亡くなっており、死因は心臓発作だったとのことです。
開発・社会的包摂担当のクリスチーナ・バリシェロ氏によれば、「我々が住居のドアを開けると、彼女は死者となった息子の横に座って話しかけていた」と語りました。女性は息子の死を気付くことなく過ごしていたのです。
体調不良による衰弱
女性は救急車で病院に搬送されましたが、その時点ですでに非常に衰弱しており、脱水症状にも悩まされていました。また、クリスチーナ氏によれば、この女性の息子は9月に救急医療センター(UPA)で心臓の治療が必要だと指示されたにもかかわらず、治療を受けずにいたそうです。酸素飽和度が70%を下回り、入院が必要な状態であったにも関わらず、彼は病院を出てしまい、行方が分からなくなってしまったのです。
孤独な最期
クリスチーナ氏は、死亡した男性の子供、つまり女性の孫に連絡を取ったところ、1年ほど父親との連絡が途絶えており、息子の死について聞かされても悲しまなかったと語りました。この女性は現在、老人ホームに引き取られることになりました。一緒に救助された飼い猫は保護団体に引き取られました。
このような悲しい事件が起こった背景には、認知症や高齢者の孤独など様々な問題が絡んでいます。一人暮らしをしている高齢者や認知症を抱える方々の安心・安全を確保するために、地域社会や行政のサポートが重要であると改めて感じさせられる出来事です。
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