高速バス路線、突然の運休発表…4か月間で運転手4人退職「応援が追いつかず」

高速バス

札幌市と北海道の各都市を結ぶ高速バスの運休や減便が相次いでいます。運転手不足のため、必要な人員を確保できず、路線の維持が困難になっているのです。このことは、道都への直通ルートの喪失や道民の帰省、通院、観光などにも影響を及ぼす懸念があります。

突然の運休

高速ひろおサンタ号

ジェイ・アール北海道バスは、広尾町と札幌を結ぶ「高速ひろおサンタ号」の運休を発表しました。運行がままならない理由は、この4か月間で様似営業所の運転手が4人退職してしまったためです。同社の総務部では「札幌圏からの応援もあったのですが、追いつかない状況です」と語っています。

高速バスの突然の運休が発表されてから約2週間後、札幌駅前に到着した広尾町の40代女性は本当に困っている表情でした。最近は高校3年の長女が大学受験を控えており、オープンキャンパスに参加するために月に1回程度利用していました。札幌まで自家用車で約5時間かかりますが、運休後は一度路線バスで帯広市に向かい、そこからJRに乗り換えなければなりません。「娘が札幌の大学に進学したら、よく使うことになるなと思っていたのに…」と肩を落として話していました。

運転手不足の深刻さ

道バス協会によると、道内の運転手の数は、1993年のピークから30%減少し、現在は5,496人です。国の統計によると、運転手の平均年収は約310万円で、他の職種よりも約100万円も低いです。バス会社は人口減少とコロナ禍の影響により財務状況が悪化しており、不採算路線の減便や廃止を選ばざるを得ない状況にあります。

市が代替バスを提供

夕鉄バスは、夕張市と新札幌、栗山町と新札幌の計3つの路線を廃止しました。コロナ禍による外出自粛や、燃料価格の上昇もあり、路線の見直しが必要になったためです。

この代替となる予約制デマンドバスの実証実験は、今月から夕張市で開始されました。このバスは、栗山町を経由して長沼町が終点となります。市の地域振興課は「従来のルートでは利用が見込めなかったため、病院やJRへの乗り継ぎができる地点まで結ぶことにしました」と説明しています。同様に栗山町でも、栗山高校からJR北広島駅までをつなぐデマンドバスの実証運行が始まりました。

このように、高速バスの運休や減便は、地域の交通や生活に大きな影響を与えます。今後、運転手不足の解消や代替手段の充実など、問題解決に向けた取り組みが求められるでしょう。

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