袴田さんの「拘禁反応」とは 乱れていく手紙、医師「重篤で珍しい」

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日本ニュース24時間

袴田巌さん(87)の再審公判が静岡地裁で始まりました。巌さんは約半世紀にわたって無罪を主張し続けてきましたが、姉の秀子さん(90)が代理で出廷しました。なぜ巌さんが出廷しなかったのか、国井恒志裁判長は初公判で「巌さんは拘禁反応と診断されました。自らの状況を理解することができず、黙秘権を行使するのが困難だと判断しました」と説明しました。

拘禁反応とは何なのか

拘禁中や釈放後に生じる精神症状を指す「拘禁反応」について、精神科医の中島直医師(58)が詳しく説明しています。拘禁反応は、拘置所や刑務所などの刑事施設に拘禁されることによって生じる症状のことです。

拘禁反応には頭痛やめまい、吐き気などの身体的な症状が現れることがあります。また、「被害妄想」や「無罪であるという妄想」、「恩赦がされると確信する赦免妄想」なども生じることがあります。しかし、多くの場合は自然に症状が軽快していくとされています。

巌さんは1980年に最高裁で死刑が確定して以来、「電気出すやつがいる」「かゆみの電波や痛みの電波を出している」「毒殺される」といった主張をするようになりました。同様の表現は、秀子さん宛ての手紙にも見られるようになりました。

「対悪魔戦も新たな局面を迎えている」「暖電波やかゆみの電波は後退している」といった内容です。

中島医師は2008年に依頼され、巌さんが拘禁反応に罹患しているとする意見書を提出しました。中島医師は、巌さんと面会し、拘置所で問診を行い、秀子さんからも話を聞きました。また、巌さんが書いた多数の手紙を参考にしました。手紙だけで拘禁反応を判断することはできませんが、症状の経過が見えてきたと中島医師は述べています。

「『悪魔の手先の電波』による『攻撃』を受けているというのは事実ではないと思いますが、彼の意図は理解できます。しかし、文章はますます理解しにくくなっていった」と中島医師は述べています。中島医師は巌さんの拘禁反応を「重篤で、慢性的に続いており、非常に珍しい」と評価しています。

袴田さんの「拘禁反応」について、詳しく知りたい場合は朝日新聞社のリンクをご覧ください。

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