米メディア、ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の発言は対称的だ

ゼレンスキー大統領が4日夜の演説で述べた発言に続き、NBCニュースのインタビューでも「私は現状が膠着状態だとは思わない。我が軍はより速く前進し、ロシアの予期せぬ打撃を与えるため様々な作戦を検討している」と述べたと報じられました。NBCは「ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の発言は対称的だ」と評価しています。

ゼレンスキー大統領のアピールは「急速に広まる反攻作戦への失望感を政治的に払拭したい」という現れだろう

ゼレンスキー大統領は4日夜の演説で「前線の状況は膠着状態ではない」と主張しました。また、NBCニュースのインタビューでも「ロシアは我々をチェックメイトできると考えていたが、現実にはそうはならかなかった。私は現状が膠着状態だとは思わない。我が軍はより速く前進し、ロシアの予期せぬ打撃を与えるため様々な作戦を検討している」と述べています。

出典:ArmyInform/CC BY 4.0

NBCは「大統領の発言はザルジニー総司令官の発言と対称的だ。反攻作戦の遅れは『戦争の進め方に対するパートナーからの批判』に繋がり、ウクライナが主張する勝利への疑念を高めている。このような状況やザルジニー総司令官の発言による影響は『特殊作戦軍のホレンコ司令官解任』『より大きな力を持つことができるゼレンスキー大統領が主張する人物を後任に据える』を決断することにつながった可能性がある」と指摘しています。恐らくゼレンスキー大統領のアピールは「急速に広まる反攻作戦への失望感を政治的に払拭したい」ということを表しているのでしょう。

ちなみに、ザポリージャ州では3日の朝に第128旅団の兵士が「砲兵の日を記念した表彰式」のため最前線に近い村に集められました。しかし、ここにロシア軍のイスカンデルMが着弾し、20人以上の兵士が死亡しました。この悲劇に関連してゼレンスキー大統領は「軍の怠慢」「蔓延する旧ソ連の遺産」「軍の能力を正しく発揮させるのを妨げる酷い官僚主義」といった改革を約束しました。また、ウメロフ国防相も、旧ソ連のイメージを脱却するために新たな人事に関するコンセプトを発表しました。

出典:Рустем Умєров

一言で言えば、国民の義務的な徴兵制度を「契約に基づいた採用」という言葉に置き換え、人事管理のプロセスを紙ベースから自動化されたデジタルベースに移行し、指揮官と部下の関係に関する新しい文化を取り入れることで、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは旧ソ連の文化を一掃しました。ウクライナは新しいコンセプトについて「小さなソ連軍では大きなソ連軍に勝つことはできない」と評価しています。

ゼレンスキー大統領と軍の不協和音、ザルジニー総司令官に知らせず司令官交代
ザルジニー総司令官が反攻作戦の評価に言及、私が間違っていた
バフムートを巡りゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の関係に亀裂?

※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

日本ニュース24時間