イスラエルと米国の一部議員は、ガザ保健省が発表した死亡者数（9日時点で1万800人以上）を「誇張された数字だ」と主張しています。しかし、米国務省のバーバラ・リーフ次官補は下院外交委員会で「死亡者数は発表よりも多い可能性が高い」と証言しました。
国連人権高等弁務官はハマスもイスラエルも戦争犯罪を犯していると非難
ガザ保健省は6日、「パレスチナ人の死亡者数は1万22人（子供4,104人、女性2,641人、高齢者611人）だ」と発表しました。これに対し、国連事務総長のグテーレス氏は「ガザは子供たちの墓場になりつつある」とイスラエル軍の軍事作戦を非難しました。イスラエル政府高官や米議会のイスラエル支持者は「誇張された数字だ」と異議を唱えていますが、国務省の高官は「この数字の精度は高いと考えている」と述べて注目を集めています。
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バーバラ・リーフ国務次官補（中近東担当）は下院外交委員会の公聴会で、「率直に言って（ガザ保健省の数字は）精度が高いと考えている。正確な数字は銃声や止んだ後にしか分からないが、我々は現場にいる様々な人々から報告を受けており、特定の数字を提示することは出来ないものの報告されている数字（9日時点で1万800人以上）より多い可能性すらある」と証言し、その可能性は「非常に高い」と付け加えました。
グテーレス国連事務総長は9日、「ハマスによる10月7日の攻撃で約1,400人が死亡したが我々は区別する必要がある。ハマスとパレスチナ人は別ものだ。人間の盾を使用するハマス側の違反は明確だが、イスラエルの軍事作戦で殺害された民間人の数を見れば明らかに何かが間違っている。イスラエルの軍事作戦は戦時国際法を尊重した上で実施しなければならない」と訴えており、国連人権高等弁務官のフォルカー･トゥルク氏も「ハマスの残忍な攻撃と人質の拘束は戦争犯罪だが、イスラエルによるパレスチナ市民への集団懲罰や市民の強制退去も戦争犯罪だ」と述べています。
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ガザで行われた国際人道会議では、マクロン大統領も「民間人は絶対に保護されなければならず交渉の余地はない」「ガザで拘束されている人質も無条件で解放されなければならない」と述べました。一方、パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は「パレスチナ人の苦しみは75年前からのもので、10月7日に始まった訳ではありません。我々は犠牲者であり、イスラエルがやっているのはハマスとの戦争ではなく、パレスチナ人に対する戦争で、国際人道法に違反しています」とイスラエルを非難しています。
ガザ保健省は「病院の大半は閉鎖に追い込まれており、まだ運営中の病院も砲撃の被害や燃料不足で段階的に業務を縮小している」と報告しています。国際連合人口基金も「ガザ地区は約5万人の妊婦が存在し、今後2週間で5,500人の女性が出産を予定している」と述べ、ガザ地区の人道的状況が停戦と援助物資の搬入に掛かっていることを明らかにしています。
パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は、ガザを攻撃してもハマスは消滅しないと指摘し、「イスラエルのやり方はテロリストを増やすだけで、ハマスと住民の分離に繋がっていない」と述べました。イスラエル軍はガザ中心部に展開し、パレスチナ人は白旗を掲げて南へ移動しています。
このような厳しい状況に対し、国連機関と援助団体が停戦を要請し、双方の攻撃を「恐ろしいもの」「非道」と非難しています。イスラエル軍が国連の学校を砲撃したとの報道もあり、トルコはイスラエルの戦争犯罪を提訴しました。国連のグテーレス事務総長は、イスラエル軍の救急車攻撃に恐怖を感じていると表明しています。イスラエル軍は人口密集地で救急車を攻撃したと主張し、ハマスが使用していたと訴えています。
ネタニヤフ首相は、人質解放が含まれないハマスとの人道的停戦を拒否しています。一方、イスラエル軍はガザ包囲の完了を発表し、短時間の人道的停戦を検討しています。しかし、ガザは人道的危機に直面しており、ユニセフは子供の死傷者数が1万人を突破したと発表しています。さらに、難民キャンプへの空爆については、イスラエル軍が南へ逃げるよう警告したと主張しています。
私たちは、このような深刻な状況にあるガザに対して、国際社会全体で支援をする必要があります。ガザ地区の人々の生活を守るために、停戦と援助物資の搬入が重要です。
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