ダム貯水量「0%」なぜ水不足? 気象予報士が解説「記録的少雨」「超残暑」…今後は

ダムの貯水量

愛媛県大洲市の鹿野川ダムをはじめ、雨不足により各地のダムの貯水率が低下しています。特に西日本では「水不足」が心配される状況です。

なぜ、こうした状況になったのでしょうか?今回は、気象予報士の今村涼子さんにお話を伺いました。

今年は台風が少なく…“上陸”は1個だけ

今年の秋は、西日本でかなり雨が少ない「極端な少雨状態」となっています。その主な理由は2つあります。

まず、1つ目は「台風が少なかったこと」です。

今年の台風の発生数は16個であり、平年の発生数である年間25個には及ばず、13年ぶりの少なさとなっています。台風の発生数が少ないため、接近・上陸する台風も少なくなっています。実際、台風の上陸は1回のみで、お盆の時期に上陸した台風7号だけでした。

今年の台風が少なかった理由は、記録的な猛暑の原因ともなった太平洋高気圧が強すぎたためなどが考えられます。

秋雨前線の活動も弱く…“ダブルパンチ”

2つ目の理由は、「秋雨前線の活動も弱かった」ことです。

秋雨前線の活動が活発でなかったため、台風の少なさと合わさったことで、この秋はほとんど雨が降りませんでした。

今後は冬型の気圧配置になるため、秋雨前線の活動が期待できない状況です。9日に発表された1カ月予報によると、西日本から関東にかけての地域の降水量は「平年並み」か「平年より少ない」予報となっています。

要するに、本来雨の少ない季節にさらに降雨量が少なくなるという予報が出ているのです。

西日本は雪解け水がないため…渇水が冬の後も続く可能性

さらに、西日本のダムは「雪解け水」が存在しないため、雨だけに頼るしかありません。

もしも冬も雨量が回復せず、冬の渇水が春に続いてしまうと、さらに夏に向けて水不足が続く可能性があります。

ですので、これからの雨は非常に重要であり、なんとか降ってくれることを願うばかりです。

※この記事は、「テレ朝天気」の情報をもとに作成されています。

ソースリンク: 日本ニュース24時間