宝塚歌劇団で急死した団員の遺族、真実の公開と謝罪を求める―「愛おしい瞳と声が奪われた」

宝塚歌劇団宙組に所属する劇団員の若き女性が、急死した事件について、彼女の遺族の代理人弁護士が東京で記者会見を行いました。弁護士によれば、遺族は彼女が「劇団から非常に過酷な業務を強いられ、ハラスメントを受けたため、心身の健康を害し、最終的に死亡した」と主張しています。彼らは劇団や阪急電鉄に対して、真実の公表や遺族への謝罪などを求めています。

遺族の主張―過酷な業務とハラスメント

彼女は2023年度の新人公演出演者として「長の期」の担当になりました。宙組の本公演が9月29日に控えた8月16日から稽古が始まり、本番までの期間にわずか6日しか休暇が与えられず、休日も準備に追われる日々が続いたとのことです。この期間の総労働時間は400時間を超えました。

また、稽古中には先輩の劇団員に呼び出され、頻繁に叱責されることがありました。「下級生のミスは全部お前のせいだ」「心が足りない」といった言葉が彼女に浴びせられたそうです。

遺族の訴え―娘の苦しみと真実への無視

遺族のコメントでは、「娘の笑顔が大好きでした。愛おしい瞳や柔らかな頬、魅力的な声までもが奪われてしまいました。」と述べられています。さらに、「娘は何度も真実を訴え、助けを求めたにもかかわらず、劇団はそれを無視し、隠蔽を繰り返した」と指摘。「25歳の若さで生きる道を閉ざされてしまった娘の苦しみを思うと切なく胸が張り裂けそうです」と訴えています。

この事件により、宝塚歌劇団では9月30日に宙組の団員が自殺と思われる状況で見つかりました。宝塚歌劇団は10月1日から宙組の公演を中止し、現在は外部の弁護士による調査チームを設置し、団員への聞き取り調査を行っています。