インボイス制度が導入されて「経理事務負担増」、免税事業者に「着服・ネコババ」批判が相次ぐ

インボイスとして発行される領収書

インボイス(適格請求書)制度が始まった10月以降、制度の廃止を求める個人事業主や税理士らの団体「インボイス制度を考えるフリーランスの会」がアンケートを実施しました。その結果、約2800件の回答のうち、半数以上の人が「経理事務負担が増えた」と回答しました。

インボイス制度を巡る課題

13日、同団体は国に対して制度の是正を求める要請書を提出しました。その要請書には以下の問題点が挙げられています。

  1. 物価高の中での増税であること
  2. 制度に登録しない年間売り上げ1千万円以下の免税事業者に対する一方的な値下げや取引排除の横行
  3. 未登録業者への差別や中傷
  4. 過重な事務負担で疲弊する現場
  5. 自由な商取引が阻害されること
  6. 相談窓口の不足

これらの問題に対して、財務省などに対し是正と見解を求めています。

アンケート結果

アンケートは10月20日から31日にオンラインで行われ、フリーランスや会社員、経営者などを対象にしました。回答数は2868件で、制度導入によって起きた取引や業務の変化について以下の結果が出ました。

  • 52.4%の人が「経理事務負担が増えた」と回答
  • 35.7%の人が「社内外への説明や交渉などの業務負担が増えた」と回答
  • 34.5%の人が「消費税の負担増や値引きによって手取りが減る」と回答
  • 16.6%の人が「インボイス未登録を理由に、取引先から一方的に報酬の値下げを強要された」と回答

また、約半数の人が新たに課税事業者として登録したか、登録を検討中と回答しました。登録の理由としては、「登録しなければ仕事をもらえないと取引先に言われたから」が14.1%、「登録しなければ報酬を値下げすると取引先に言われたから」が12.9%となりました。

免税事業者への批判

今回の調査では、インボイス制度によって免税事業者が「着服、ネコババし続けるつもりか」といった批判を受けている事例も報告されました。免税事業者が商流に入ることで、消費者が支払った消費税の一部が国庫に納まらないという問題が指摘されています。

以上がインボイス制度に対する現状と批判の概要です。今後、制度の見直しなどが行われることに期待しましょう。

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