宝塚の調査報告、遺族は再調査求める「上級生をかばう意識が先行」…理事長「守る伝統ある」

宝塚歌劇団が公表した調査報告書によると、宙組に所属していた女性(25歳)が死亡した問題で、過重業務を認めつつも、上級生によるパワーハラスメントやいじめを否定しています。しかし、遺族側は「ハラスメントに関する内容は間違っている。納得できない」と抗議し、再調査を求めています。

歌劇団側の調査結果と遺族側の訴え、その違い

宝塚市内のホテルで行われた歌劇団の記者会見では、上級生と下級生の関係性についての質問が相次ぎましたが、理事長らは「伝統の中で守っていかなければならないものもある」「全てがおかしい、全てが変えないといけないとは思っていない」と説明しました。

公演をスムーズに運営するため、上級生による叱責を見逃していたことが問題とされますが、理事長は「出演者でないとわからない部分もあるので、われわれ事務サイドとしては、詳細な内容までは承知していなかった」と釈明しました。

調査チームの聴取を辞退した宙組の4人についても触れられました。理事長は「全員の話を聞けていない」と認めつつ、面談はまだ行われていないと述べました。

ハラスメントを否定する報告書に遺族側が反発

遺族の代理人である川人博弁護士は、遺族の気持ちを代弁する形で記者会見を開き、「ハラスメントをここまで否定するのか。遺族はとても悔しく思っている。残念であり、やるせない」と述べました。

亡くなった女性は、生前に上級生からさまざまなハラスメントを受けていたことを家族に相談していました。遺族側は報告書がヘアアイロンでのやけどの事実を認定しつつも、上級生が故意に当てたのかどうかは「判断困難」としています。川人弁護士は、遺族が伝えた上級生の意図的な暴力行為について報告書が無視していると指摘しています。

宝塚大劇場

以上が宝塚歌劇団の調査報告と遺族の要求に関する最新の情報です。詳細はこちらをご覧ください。