写真:朝鮮日報日本語版
パレスチナ武装勢力ハマスによるイスラエルの奇襲攻撃が行われた10月7日、ハマスとの戦闘中に自身も命を捧げたイスラエル軍人のエピソードが最近になってようやく明らかになりました。この22歳のイスラエル軍人は、避難所に投げ込まれた手りゅう弾を7回も拾って投げ返し、同僚や市民を守りましたが、残念ながら8発目の手りゅう弾で致命傷を負い、亡くなりました。
彼の勇敢な行動
イスラエルの軍人アネル・シャピロ(Aner Elyakim Shapiro)さんは、ハマスの奇襲攻撃の報せを受け急遽現場に投入されました。シャピロさんはナハル旅団に所属する下士官で、休暇中にこの戦闘に身を投じたのです。
避難所の人々を守るため、彼は何と手りゅう弾を外に投げ返し続けたのです。手りゅう弾には安全ピンが取り外されているため、爆発するまでに3-5秒かかります。この3-5秒の短い時間内に、彼は手りゅう弾を手でつかみ、避難所の外に放り出すことで、7発の手りゅう弾を防ぎました。
しかし、シャピロさんは8発目の手りゅう弾を防ぐことができませんでした。手りゅう弾を取り扱っている最中に、その手りゅう弾が爆発したのです。シャピロさんは致命傷を負い、現場で亡くなりました。ザ・タイムズ・オブ・イスラエル(TOI)は、「シャピロさんは生き残れなかったが、彼の行動は少なくとも7人の生命を救うことに貢献した」と伝えました。
母親と生存者の証言
シャピロさんの母親、シラさんは「息子が何人もの命を救ったことはせめてもの慰めです。私たちはもう息子と会うことはできませんが、彼が救った人々は幸せな暮らしを送り、子孫を残すことができるでしょう。私はアネルが救ってくれた人々に対して深い感謝の気持ちでいっぱいです。」と語りました。
生存者の一人、アガム・ヨセフソンさんは、「シャピロさんは私たちを落ち着かせてくれた。私が最後に彼に伝えた言葉は『ここに来てくれてありがとう。あなたが私たちを冷静にさせてくれている』だった。彼の高貴さに深く感動しました。」と述べました。
イタマル・シャピラさんも、「彼は手りゅう弾を見つけて、3秒以内に投げ返しました。私がこれまで目撃した中で、最も勇敢な行動でした。彼は本当のヒーローです。」と語りました。
このエピソードは、避難所の前に設置された車のドライブレコーダーによって記録されています。映像を見ると、ハマス戦闘員が避難所内に手りゅう弾を何度も投げ込む様子が捉えられており、手りゅう弾はシャピロさんによって投げ返されて外で爆発します。映像には、ハマス戦闘員が避難所に向けて無差別に銃を乱射する様子も収められています。
おわりに
アネル・シャピロさんの勇敢な行動は、多くの人々の命を救いました。彼の犠牲は、イスラエル国防軍の誇りであり、彼の家族や友人にとっても大きな誇りでしょう。彼の行動が私たちに勇気や感銘を与えることを願います。