公明動揺、自民注視「支柱」喪失、集票力に影響も 池田氏死去

公明党本部

創価学会の池田大作名誉会長が亡くなりました。学会を支持母体とする公明党は、長らく連立与党の一員でしたが、最近では「平和の党」との方針のずれが目立ちます。このため、公明党内では「言葉がない」といった動揺も見られ、学会の集票力にも影響を及ぼす可能性があります。自民党は公明党の動向を注視しています。

池田氏の存在と公明党

公明党が掲げる「立党精神」は、池田氏が唱えた言葉から引用されたものです。「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」というフレーズは、今も公明党内で重要視されています。池田氏の存在は、党内に強い影響力を持ってきました。

公明党は、1993年に誕生した非自民連立政権に参画しましたが、1年足らずで頓挫しました。政権に返り咲いた自民党は、学会の「政治関与」を批判し、池田氏の国会招致を求めました。この結果、秋谷栄之助会長が参考人質疑に応じることになりました。これが学会と公明党の危機感を高め、後の自公連立につながったとされています。

池田氏の影響力と今後の展望

池田氏は2010年代に入ってから表舞台から姿を消しました。学会関係者は、「ポスト池田」を見据えて後継者を育成していると述べていますが、「実務的な影響はない」との見方も一致しています。公明党の幹部も「池田氏の死去は政治と無関係だ」と強調しています。

一方、公明党の対応に不満を抱く学会員の離反も相次いでいます。特に集団的自衛権の限定的な行使容認については意見が分かれており、同党の斉藤鉄夫国土交通相が行使容認に踏み切るなど、基本理念との食い違いが露骨になっています。

池田氏の死去以降も、学会は彼を「先生」として位置づけ、組織の結束を図ってきました。しかし、22年の参院選での公明党の比例得票数は約618万票と、ピーク時の約900万票から大幅に減少しました。組織力の低下は明らかであり、党関係者は今後、党内での路線対立や政策・選挙戦略について懸念を抱いているのです。

自民党の注視と今後の展望

岸田政権になってから、自民党と公明党の関係がぎくしゃくする場面が増えています。自民党内では最近、国民民主党との連立模索など、学会に頼らない選挙活動を模索する動きも見られます。

ただし、自民党内でも選挙基盤の弱い国会議員にとって、学会の組織票は命綱となっています。地方の首長選などでも、自民党と公明党の協力が重要な役割を果たしています。党の要職の一人は「しばらくは彼らの動向を注視しなければならない」と述べています。

公明党の名誉会長の役割は、連立政権の安定化に大きく関わっていました。自民党の重鎮は今後、自公連立が不安定化することを危惧しています。

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