「24時間テレビ」の寄付金が着服!日本海テレビ元幹部が10年間も発覚しなかった善意の着服

日本海テレビの元幹部が「24時間テレビ」の寄付金を着服していたことが明らかになりました。

なぜ、10年間も発覚しなかったのでしょうか?

鳥取市にある「日本海テレビ」のホームページを開くと、目に飛び込んでくる見出しは「弊社元幹部社員の不正について」という大きなものでした。

元経営戦略局長の田村昌宏さん(53歳)は、寄付金や売上金などを合計で1,118万2,575円も着服していたのです。その中には、日本テレビ系列の「24時間テレビ」で集められた寄付金が264万円近くも含まれていました。

募金は銀行振り込みの他、商業施設に設置された募金箱などでも行われていました。現金は各地方局で集められ、今年の集まった募金総額は日本テレビ系列全体で約8億2,100万円でした。日本海テレビで集まった山陰地方の募金額は約680万円でした。

寄付金は24時間テレビの目的に沿って、環境保護、災害復興、高齢者支援などに全額使われる予定でした。しかし、善意にもかかわらず着服されていたことが明らかになりました。

着服額は2014年に50万2,400円、2015年に32万9,000円、2016年に34万8,800円と続いていましたが、2021年と2022年についてはゼロでした。

「コロナ禍で(寄付金が)少なかったので、手を出さなかったというか出しにくかったというか、そのようなことを(田村元局長は)言っていた」と、日本海テレビの西嶌一泰社長は話しています。

では、なぜ長い間、着服が見過ごされてきたのでしょうか?

集められた募金は金融機関に運ぶまで、鳥取市の日本海テレビ社内の金庫で保管されていました。田村元局長は2014年に経理部次長に昇進し、その後部長になったことで金庫を開ける権限を持つ立場にありました。彼は周囲の目を盗んで何度も寄付金の一部を持ち出し、自分の銀行口座に入れることができたのです。

しかし、今年の11月に税務署の調査が行われることを知った田村元局長は、自ら会社に着服を申告しました。社内調査の結果、寄付金の着服が明らかになりました。

田村元局長は次のように話しています。「14年当時、親族のためにまとまった金を用立てる必要があった。着服しても発覚しにくいお金があり、思いついた」「自分の口座の残高が増えるのを見るのが好きだった」と。

彼は着服した金を後輩たちとの飲食費やスロットに使っていたそうです。日本海テレビは田村元局長を11月27日付で懲戒解雇処分にし、警察に被害を相談しています。刑事告発も検討しているとのことです。

※当記事の元記事はこちらです:日本ニュース24時間