【バンコク=佐藤友紀】ミャンマー北東部で国軍と少数民族武装勢力の戦闘が始まってから1か月が経過しました。国軍との戦闘は、圧政に不満を抱く他地域の少数民族や民主派勢力にも広がり、首都ネピドーなど中心部を取り囲む形で周縁部の地方に波及しています。しかし、劣勢に立つ国軍は空爆による応戦を行い、攻撃を抑え込もうと躍起になっています。
国軍は劣勢、共同声明で降伏促される
戦闘開始から1か月後の11月27日、民主派勢力が樹立した「国民統一政府(NUG)」や少数民族グループなどは「まもなく『テロリストグループ』は敗北する。彼らへの忠誠をやめる時だ」と国軍兵らに対し、降伏を促す共同声明を発表しました。
一方、国軍トップのミン・アウン・フライン最高司令官は29日、「反乱軍との戦闘に重点を置く」と徹底抗戦する姿勢を示しました。
少数民族武装勢力の攻撃が広がり、国軍は劣勢続く
独立系地元メディア「イラワジ」によると、少数民族3勢力が北東部で「独裁を終わらせる」として国軍の拠点への攻撃を開始した10月27日以降、武装勢力は北東部のシャン州を中心に国軍の拠点224カ所を制圧しました。また、西部のラカイン州でもアラカン軍が11月13日に国軍の拠点を攻撃しました。両者は2022年に一時停戦に合意していました。さらに、北西部や南東部でも少数民族武装勢力や民主派勢力が戦闘を引き起こしました。
国軍は北東部に戒厳令を敷き、各地への空爆による対抗を行っていますが、劣勢が続いています。2021年のクーデター以降、国軍は弱体化が進み、米国平和研究所は5月に、かつて推定されていた30万〜40万人の国軍兵士が半分程度に減少していると分析しました。民主派との戦闘の長期化や兵士の脱走により、国軍の士気は低下しています。
イラワジによると、国軍はネピドーで約1万4000人の部隊を動員しました。主要都市への戦闘の波及を防ぐため、防御態勢を強化している模様です。
市民生活への影響
戦闘の拡大に伴い、市民の生活への影響も大きくなっています。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、11月23日までに市民200人が死亡し、33万5000人が自宅を追われました。クーデター以降、国内避難民の数は計200万人以上に上っています。
ソースリンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/c6e43d245d9ff9cd175154b5519766f518e45ad1
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