東京オリンピックが開催された2021年、日本選手のメダルラッシュに国民は熱狂しました。しかしその後、注目が一変しました。2022年夏以降、東京地検特捜部が汚職事件と談合事件に取り組み、華やかな舞台の裏で不透明な資金の流れが次々と報じられました。
計22人が立件されたこの事件の中心人物の一人は、大会組織委員会大会運営局の元次長（56歳）でした。彼は談合において主導的な役割を果たし、マラソン・競歩の札幌移転にも尽力しました。彼は五輪運営のプロとして活躍しましたが、公判では起訴内容を認め、「とにかく五輪を成功させないといけないと思った」と動機を説明しました。
検察側は公正かつ自由な選定がなされなかったと指摘しましたが、ある検察幹部は「社会は必ずしもフェアにできていない。彼はババを引いたと思っているんでしょうね」と語りました。
元次長は民間企業で都市開発に携わった後、日本陸上競技連盟に転職し、大会運営の経験を積みました。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会に出向し、大会準備運営局次長に就任した彼はその後も大会運営に携わりました。
元次長が犯した罪は、独禁法違反（不当な取引制限）です。具体的には、テスト大会と本大会の運営に関して、共謀して受注予定先を決めたとされています。テスト大会の計画づくり業務の受注先は一般競争入札で選ばれ、テスト大会と本大会の実施業務も同じ業者と随意契約を結びました。
この事件では元次長のほか、電通グループや博報堂など計6社とそれぞれの担当者6人が立件されました。元次長は各社の意向を集約して調整を進めた「談合の中心人物」と位置づけられていました。
公正な競争を阻害した罪は重いものですが、元次長の言葉には違和感を覚えます。「（五輪は）国家的事業。素晴らしい運営をして、素晴らしい大会にするためだった」と彼は述べました。
この事件について、もっと詳しく知りたい方は日本ニュース24時間をご覧ください。
ソースリンク: Yahoo!ニュース
