特捜部が安倍派議員への任意聴取を開始! 今回の“裏金問題”で狙う本丸は?

郷原信郎弁護士

自民党・安倍派の政治資金パーティーに関する問題で、東京地検特捜部は安倍派の議員への任意聴取を開始しました。安倍派の政治団体「清和政策研究会」では、パーティー券の販売ノルマを超えた収入が議員側にキックバックされ、収支報告書に記載されていない疑いが浮上しています。これにより、去年までの5年間で約5億円に上るとみられる記載のない金額が浮上しました。

「超大規模捜査体制になることは間違いない」

特捜の体制

特捜部は、数十人規模の応援検事を招集することで超大規模な捜査体制を整えています。元東京地検特捜部検事である郷原信郎弁護士によると、「地方からの応援検事を合わせて80人ほどの体制となると聞いています。これほどの規模の捜査体制は珍しいことであり、超大規模な捜査が行われることは間違いありません」と語りました。

ただし、政治資金規正法には抜け穴が多く存在していることにも注意が必要です。立件にはハードルが高く、事件として処理することは容易ではありません。郷原氏は「裏金の犯罪と一般の人々のイメージにはかなりのギャップがあります。議員は個々の資金管理団体だけでなく、政党支部など他の団体も資金を扱っています。そのため、収支報告書に記載すべき団体が特定できなければ、具体的な政治資金規正法違反とはなりません。しかし、収支報告書は各団体ごとに作成されるもので、会計責任者が存在します。取り調べにおいて、『ここで処理しなければならないが、公表してはいけないと思い、書かなかった』という自白があれば有力な証拠となります。ただし、議員側が起訴された場合、公民権停止の措置がとられるため、十分な用意をして臨むでしょう」と話しました。

郷原氏「政治資金規正法はザル」

また、郷原氏は、「政策活動費」が問題の根源であるとも指摘しています。政党から議員個人に渡されるこれらの費用は、領収書などが必要なく公表の義務もありません。

「元々、政治家個人は企業や個人からの寄付を受け取ることはできず、必ず政治団体や政党支部を通じて行われるルールがあります。しかし、政党から政治家個人に直接寄付ができる例外も存在しており、ここに抜け穴があります。例えば、自民党本部から幹事長に10億円を渡すといったことも可能です。そして、政治家個人は収支報告書の記載義務がありません。つまり、「党からもらった政策活動費としては記載しなくても良い」という言い訳が成り立ってしまうのです」と述べました。

この“裏金問題”についての詳細な全容解明には、今後の捜査が大きくかかっています。政治家の逮捕や起訴の可能性も浮上しています。詳しくは、元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士のコメントをご覧ください。

参考リンク: 日本ニュース24時間