安倍派・二階派にガサ入れ「証拠隠滅を見つけたら勝ち」 議員の逮捕「確率は2割」 元特捜検事に聞く

東京地検特捜部が、安倍派・二階派の事務所に家宅捜索に入ったとの報道がありました。この問題は政治資金パーティーを巡るもので、押収された資料からは資金の流れについての調査が進められる予定です。

果たして、組織的な関与はあったのでしょうか? そして、議員の逮捕までいく確率はどのくらいあるのでしょうか? 今回、私たちは元東京地検特捜部検事であり、弁護士でもある高井康行氏にその点について聞いてみました。

■「証拠隠滅を見つけたら勝ち」

特捜部が家宅捜索に入ったタイミングについて、高井氏は「やや遅い」と指摘します。来年の1月20日以降に通常国会が始まるため、こういった政権絡みの捜査はその前に終結していることが望ましいからです。しかし、捜査には2〜3週間かかるため、年明けになってしまう可能性が高いです。もし政治家を逮捕するとなると、1月の頭しか時間がありませんが、今回のタイミングでは間に合わないと考えられます。特捜部が通常国会とは関係なく捜査を進めている可能性もあるのです。

組織的関与も? 安倍派から相次ぐ証言

安倍派内からは、「派閥から指示があった」という組織的な関与の証言も出ています。これについて、どのような証拠がポイントになるのでしょうか? 「清和会に関しては、金の流れに関するメモのようなものが、すでに任意提出されていると報道されています。しかし、それが本当かどうかの裏付けが必要です。会計責任者が故意に行ったのか、あるいは派閥の会計責任者が議員の政治団体の会計責任者に何らかの指示を出していた可能性もあります。事務総長と会計責任者のやり取りを記録したメモや紙片、データがあるかもしれませんので、家宅捜索が必要です」と高井氏は説明します。

こうした政治資金の問題では「証拠隠滅を見つけたら勝ち」と言われています。既に帳簿のようなものは出てきていますが、他の同様の証拠が出てこなければ、「証拠隠滅をした」という話になります。証拠がガサの前に隠されていたことを立証するのはそんなに難しいことではありません。例えば、証拠物の場所を移動したということは最も簡単な方法です。もし証拠物が予想される場所になければ、どこかの家に隠されたのでしょう。私が弁護人としてつく時は、逆に『絶対に証拠物は移動するな』とクライアントに忠告しています。

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