九州大学の三輪宗弘教授は、韓国による「徴用工」問題について、政治的な論争を終結させるため、関連する文書を公開すべきだと訴えました。
韓国最高裁は、徴用工とされる韓国人の遺族が日本企業に対して損害賠償を求めた訴訟で、日本企業に対する賠償命令を確定しました。しかし、三輪教授は、「実際の状況とは異なり、日本政府が朝鮮半島出身者を内地で強制労働させたり差別的な待遇をさせたりしたという主張は事実とは異なる」と述べ、韓国による「徴用工」問題については公開されていない関連資料を公開するべきだと指摘しました。
この訴訟では、日本製鉄(旧新日鉄住金)に勤務していた7人と三菱重工業の元挺身隊員ら4人の韓国人とその遺族が訴訟を起こしました。1、2審で原告が勝訴し、最高裁も上告を棄却し、計11億7千万ウォン(約1億3千万円)の賠償が確定しました。
「徴用工」に対する賠償命令が確定するのは、2018年11月以来です。ただし、今回の訴訟では、損害賠償請求権の効力が時効で消滅しているかどうかが焦点となりました。
三輪教授は、「1965年の日韓請求権協定に基づき、個人補償を含めた完全かつ最終的な解決がされるべきだ」と述べました。また、「政治的な解決が一時的にされたとしても、再び問題が浮き彫りになっている。学者や歴史研究者は事実に基づき、両国の関係を修復するために取り組むべきだ。時効消滅などではなく、徴用工問題の根本について事実関係で対話すべきだ」と主張しました。
また、三輪教授の調査によると、韓国の国家記録院やソウル市教育庁には、「学籍簿」と呼ばれる文書が保管されており、これには半島出身の徴用工が来日した経緯が記録されているとされています。三輪教授は、「個人情報が公開の障壁となっているが、徴用工問題は日韓関係をこじらせ続ける政治問題に発展している。日本政府は韓国側に学籍簿の公開を求めるべきだ。そうすれば、原告が主張する『強制連行』の実態がどれだけ現実とは異なるかが明らかになるはずだ」と述べました。
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