韓国最大野党代表、刃物で襲撃されるも「割り箸を使ったショー」…テロほど深刻なフェイクニュース

韓国における衝撃的な事件が起きました。昼の人混みの中で、最大野党代表が凶器で襲撃されたのです。しかし、この事件がオンライン上で「自作劇」と陰謀説として拡散され、フェイクニュースが広まっています。このような行為は民主主義を歪曲し、極端な政治文化が生み出した病理現象と指摘されています。

割り箸凶器説の拡散

この事件に関連して、オンライン上で「割り箸凶器説」が拡散されました。ある会社員は、「李在明(イ・ジェミョン)の映像をスローで見ると、民主党員が左手に刃物、右手に紙で作られた箸を持っていて右手で刺した」と主張し、「自作劇を疑わざるを得ない」と訴えました。別の会社員も、「犯人の右手には刃物ではなく何か短い物があり、割り箸と推定される」と陰謀説に同調しました。

また、犯行に使用された凶器は李代表のファンクラブが使う旗の応援道具の旗竿だという主張もありました。これに対し、ある市民は「自作劇のようだ」として応援道具の写真を掲載し、「犯行の道具が旗竿だというのに、なぜ(民主党は)映像を削除し、モザイクと告訴・告発・脅迫までするのか」と疑問を呈しました。さらに、「李在明襲撃から0.5秒ほど過ぎた瞬間、木が折れるような音が聞こえる」とも指摘されました。

虚偽情報の拡散と批判

陰謀説やフェイクニュースは急速に拡散しましたが、釜山警察庁捜査本部は、犯行道具を具体的に説明しました。キム容疑者が使用した凶器は、登山用ナイフであり、李代表を襲う際に柄を抜き、刃物はA4用紙などで包んでいたとのことです。警察は特に「割り箸凶器説」については「事実ではない」とし、「A4用紙で包んでいたため箸などと誤認された可能性がある」と説明しました。

しかし、警察の発表にもかかわらず、「割り箸凶器説」や民主党の自作劇という主張は保守性向のオンラインコミュニティを中心に広まりました。このような虚偽情報は、嘲笑を浴びる結果となりました。さまざまなコメントが寄せられ、「ティッシュで止血するが、ティッシュには血が一滴もにじみ出ていない。常識的に理解できるだろうか」といった声も聞かれました。

世論を歪曲し民主主義を危うくする

フェイクニュースに関して、専門家らは警鐘を鳴らしています。世論を歪曲し、民主主義を危うくする社会的弊害だと批判しています。各々の政治的な選好によって、見たい情報だけを見る傾向が生じており、これは一種の社会病理現象と言えます。さらに、「フェイクニュースを解明するために捜査機関がエネルギーを浪費することは正常なのか」との指摘もあります。

このような状況は、我々の政治文化が極端な対立を生み出し、相手を憎悪の対象として認識し、政治テロの深刻性に気づけなくなっていることを示しています。

この事件により、専門家や政治家は虚偽情報の流布に対して厳正な対策を取る必要があると主張しています。民主党院内代表も「政治的自作劇などという虚偽事実流布は明白な2次テロ」とし、「党レベルで対策機構を設けて法的・政治的対応をする」と述べました。

このようなフェイクニュースの拡散は深刻な問題です。私たちはしっかりと情報を検証し、信頼性のある情報を発信することが重要です。