リニア工事 静岡県外への水流出「完全防止は困難」とJR東海

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 リニア中央新幹線工事によって大井川の流量が減少する問題で、静岡県内の地元自治体や利水関係者とJR東海との意見交換会が29日、県庁で行われた。これまでに静岡県と同社はトンネル湧水の全量を大井川に戻す方針で合意しているが、この日は、山梨、長野両県とトンネルがつながるまでは県境付近の湧水が両県側に流出することへの懸念が利水者側から相次いだ。

 利水関係者と同社が直接やりとりするのは昨年7月以来。この日の会議には流域10市町と11の利水者団体の代表が参加し、国土交通省の担当者が同席した。

 意見交換に入ると、県境から他県に流出する水への対応のほか、具体的な水の戻し方や工事が地下水に与える影響などが論点になった。島田市の染谷絹代市長が「県境付近の水が流出することを大変危惧している。大井川の取水に苦労してきた歴史があり、一滴も無駄にできない」と地元の懸念を代弁した。

 これに対しJR側は、山梨工区とトンネルがつながるまでの工事期間中、最大で毎秒約0・31トンの湧水が山梨県側に流出すると予測。防水シートやコンクリート吹きつけなどの対策をとれば流量はより抑えられるという。

 同社の担当役員は「全量を戻すという前提だが、(工事期間中の)県外流出を完全に防ぐ現実的な対処はなかなか難しい」と認めた。その上で「実現可能な対処法は、できるだけ早く県境のトンネルをつないで水をポンプアップすること」と説明。連絡トンネルをなるべく県境近くに設けるなど、できる限り県外流出を減らす対策を検討していると明かした。

 染谷市長は「リニアそのものには反対していない。確実に水を大井川に戻すことを望んでいるだけ。直接意見交換できたことは大きな前進で、JRの努力は分かった」と評価したものの、水の県外流出については「納得していない。本当に手法が何もないのか」とさまざまな対策の検討を促した。難波喬司副知事も「JRができる限りのことをしようとする姿勢は見えた。だからといって水が全量戻らなくていいわけではない。(県外流出対策として)まだまだできることはある」と要望した。

 JR東海はこれまでの意見交換の成果を踏まえ、9月上旬にも県の中間意見書に対する回答書を提出する。

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