菅義偉(すが・よしひで)官房長官は31日、東京都内で講演し、いわゆる元徴用工問題などで悪化する日韓関係について「毅然(きぜん)と主張すべきことは主張し、感情的になることなく対応したい」との考えを重ねて示した。
菅氏は、日韓間の財産請求権問題は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で解決済みとの立場を改めて強調し「協定を順守しなければいけない。国のあらゆる機関や裁判所を含む司法を拘束するのは国際法の大原則だ」と指摘した。その上で、「韓国側は自らの責任で違法状態をしっかりと解消すべきだ」と語った。
一方、日中関係をめぐり菅氏は、中国の習近平国家主席を来春、国賓として招くことに触れ「(習氏の)訪日が実現すれば、(回復基調にある)日中関係も確かな軌道に乗る」と期待感を示した。