日朝国交正常化を目指していた金丸信元自民党副総裁(平成8年死去)の次男で元秘書の信吾氏(74)を団長とする北朝鮮訪問団が14日に平壌入りすることが9日、分かった。信吾氏は親交がある宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使と会談し、拉致問題など日朝関係について意見を交わすという。
金丸氏が1990年に社会党の田辺誠副委員長らと「金丸訪朝団」を率いて訪朝したことから、北朝鮮は親族への信頼が厚く、日朝関係が悪化する中での訪問を受け入れたとみられる。信吾氏は金日成主席や金正日総書記と個別に会談したことがある。
関係者によると、訪朝団は金丸氏の生誕105周年を記念して、地元・山梨県の関係者ら62人で結成。長男の康信氏が相談役を務めるテレビ山梨の幹部や、在京メディア関係者、フリージャーナリストも含まれている。平壌のほか、板門店などを視察し、19日に帰国する予定だ。
誕生日の17日に開く祝賀会には北朝鮮幹部が出席する可能性がある。100周年の際には当時の金永南最高人民会議常任委員長が訪朝団と面会している。
信吾氏は産経新聞の取材に「父がやり残した日朝国交正常化を目指す。拉致問題も話すが、会談内容は明かさない」と語った。