兵庫県庁本庁舎(神戸市中央区)の建て替えと周辺再整備の基本計画について、県は計画の策定を支援する事業者を、来年開催の東京五輪のメイン会場となる新国立競技場(東京)のデザインを手がけた隈研吾氏の建築都市設計事務所などの共同体に決めたと発表した。委託費は約7千万円。有識者委員会や県議会協議会での議論のほか、県民に募る意見などを反映し、今年度中の計画策定を目指す。
県は今年6月、行政機能を県庁1号館跡地に集約し、2号館や県民会館の跡地に高級ホテルやオフィスなどを誘致することを盛り込んだ基本構想を策定。その上で、基本計画の策定に向けた支援事業者を公募していた。
公募には3事業者が応募し、にぎわい創出に向けたコンセプトや計画内容が評価された同事務所など3事務所でつくる共同体が選ばれた。
提案内容は、「人・自然・街をつなぐ、共生・協働の兵庫グリーンテラス」がコンセプト。神戸の中心として人が行き交う三宮など「シティフロントエリア」や、ハーバーランドなど海の玄関口となる「ウオーターフロントエリア」に対して、県庁周辺を落ち着いた街並みや周辺の山々の緑を生かした「グリーンフロントエリア」と位置づけ、再整備によって人の回遊を進めていくという。
井戸敏三知事は9日の定例会見で「緑を中心とするセンスは神戸らしい街並みの配置につながり、望ましいのではないか」と評価した。