イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスに対する作戦を実施し、ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏が死亡した可能性が高いと発表しました。
シンワル氏殺害、イスラエル軍が発表 ガザ地区の戦闘で
イスラエル軍の発表によると、ガザ地区での作戦で「テロリスト3人」を殺害。うち1人がシンワル氏かどうか、現在確認作業を進めているとのことです。
ハマス最高指導者のシンワル氏とは？
イスラエルは2023年10月にハマスによる奇襲攻撃を受けて以来、ハマス壊滅を目標にガザへの侵攻作戦を継続。今年7月末には、当時のハマス最高指導者ハニヤ氏の訪問先のイランで暗殺される事件が発生しました。
その後、ハマスは8月にガザ地区トップだったシンワル氏を後任の最高指導者に選出していました。
イスラム組織ハマスの最高指導者シンワル氏＝２０２２年１２月、パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市
シンワル氏の死亡がガザ情勢に与える影響は？
シンワル氏は今回のイスラエルへの奇襲攻撃を主導したとされ、停戦交渉での譲歩を拒否し、徹底抗戦を唱えてきた主戦派の指導者として知られています。対イスラエル闘争の象徴的存在であり、イスラエル軍にとって最大の標的となっていました。
もしシンワル氏の死亡が確認されれば、イスラエルにとって重要な「戦果」となるだけでなく、ハマスの停戦に関する姿勢が変わる可能性もあります。1年以上続くイスラエルとハマスのガザでの戦闘は、重大な局面を迎えることになるでしょう。
イスラエル軍による作戦の詳細
イスラエル軍は作戦の日時や具体的な場所については言及を避けています。また、作戦を行った一帯には、ハマスがイスラエルから連れ去った人質は存在していなかったとしています。
AFP通信などによれば、イスラエル側は遺体を収容し、シンワル氏のものかどうかDNA型鑑定を行っているとのことです。
イスラエル軍はガザ侵攻当初からシンワル氏を追跡していました。しかし、ハマスが広範囲に張り巡らせた複雑な地下トンネル網に身を隠しているとされ、捜索は難航していました。
今後のガザ情勢に注目
今回のシンワル氏殺害の報は、今後のガザ情勢に大きな影響を与える可能性があります。停戦交渉の行方やハマスの今後の動きなど、引き続き予断を許さない状況が続くことになりそうです。
