西田敏行さん、愛した寿司店の光り物と福島への想い

国民的俳優として愛された西田敏行さん。76歳という生涯に幕を閉じました。幅広い役柄を演じ、お茶の間を笑顔にしてきた西田さん。実は、お酒と寿司をこよなく愛する一面も。今回は、西田さんが「日本一うまい」と絶賛したという東京・世田谷区の寿司店「鮨あらい」の店主が語った、西田さんの思い出と食へのこだわりをご紹介します。

「あらいの光り物は日本一」 西田さんを虜にしたその味とは?

西田敏行さん、愛した寿司店の光り物と福島への想い

2009年の開店当初から「鮨あらい」に訪れていたという西田さん。特に光り物への愛は人一倍で、アジ、サバ、イワシ、サヨリなど、その日あるものを全て注文するほどだったといいます。

「西田さんと言えば光り物。1度頼んだ後、2周目も光り物ということもありました。『僕はこうなんだけど同じでいい?』って一緒に来た方にも勧めていましたね」と店主は懐かしそうに語ります。

西田さんにとって「あらいの光り物は日本一」。大切な人に自信を持って勧めることができる、まさに至極の一品だったのでしょう。

地元の味を愛した西田さん 年越し寿司は「鮨あらい」で

西田敏行さん、愛した寿司店の光り物と福島への想い

光り物と楽しむお酒は、故郷・福島県のものを好んで飲んでいたという西田さん。特に、会津坂下の廣木酒造が作る「飛露喜」がお気に入りだったそうです。

「震災後は特に、地元への応援の意味もあったのでしょう。福島のお酒を出すと本当に嬉しそうにしていました」と店主は語ります。

2012年の大晦日には、こんなエピソードも。

「紅白歌合戦に出演後、お店に寄って寿司を食べたい、と西田さんから相談を受けました。年が明けた深夜1時頃、紅白を終えてお店にいらっしゃって、3~4時頃まで過ごされていました。年越し寿司ですね」。

東日本大震災復興応援ソング「花が咲く」を歌い終えたその足で、愛する「鮨あらい」を訪れた西田さん。故郷・福島への想いを胸に、新年を迎えたかったのかもしれません。

西田さんの思い出と共に味わう「鮨あらい」の寿司。そこには、食への深い愛情と故郷への温かい想いが込められているのではないでしょうか。