近年、新卒入社後3年以内に退職してしまう若者が増加傾向にあります。厚生労働省の調査によると、2020年には3人に1人が3年以内に会社を辞めており、中にはわずか数ヶ月で退職するケースも少なくありません。
一体なぜ、このような若者の早期離職が増えているのでしょうか?今回は、名門女子学院中学校・高校、早稲田大学法学部という華麗な学歴を持ちながらも、大手IT企業を2ヶ月で退職するという決断をしたゆいにゃさんのケースを通して、若者の離職問題について考えていきます。
地方勤務の壁:コンビニまで徒歩15分の生活に苦悩
ゆいにゃさんは、4月から大手IT企業に就職。しかし、配属されたのが地方だったことが、彼女にとって大きな負担となってしまいました。
「コンビニまで徒歩15分という環境がどうしても苦痛で…。1日にビールを3本も空けてしまう生活になってしまい、『これはまずい』と毎日家族に泣きながら電話していました」と、当時の心境を語っています。
コンビニまで徒歩15分の生活に苦悩するゆいにゃさん
会社に休職の相談もしましたが、入社したばかりということもあり、最終的には2ヶ月で退職を決意しました。
ハードルの低い転職活動:ベンチャー企業も1週間で退職
一度退職を経験したことで、転職活動に対するハードルが下がったというゆいにゃさん。7月にはベンチャー企業に入社するも、今度はわずか1週間で退職してしまいます。
「一度辞めているので、その分ハードルは下がっていたと思います。しかし、土日に関係なく仕事をしていても終わらず、このままでは体を壊してしまうと思い、退職を決意しました」と語っています。
コンカフェで高収入を得ながら、自分の道を模索
その後、ゆいにゃさんは大学時代にも働いていた秋葉原のコンセプトカフェで働き始めます。会社員時代と比べて給料は数倍になったといい、「今は満足していますし、しばらくは続けようと思います」と、コンカフェ嬢として働きながら、次の道を探しているそうです。
メイド服姿で働くゆいにゃさん
若者の離職増加:企業と若者、双方にとっての課題
ゆいにゃさんのように、若者の間では早期離職が増加しています。企業側は採用・教育コストの損失、若者側はキャリア形成の遅れなど、双方にとって大きな損失と言えるでしょう。
労働環境、企業文化、仕事に対する価値観の変化など、若者の離職理由には様々な要因が考えられます。企業は、若者のニーズを把握し、働きやすい環境作りに取り組むことが重要です。
一方で、若者も自身の価値観やキャリアプランを明確にし、企業とのミスマッチを減らす努力が求められます。
ゆいにゃさんのケースは、現代の若者が抱える仕事観やライフスタイルを象徴していると言えるでしょう。