スティーブン・セガール、プーチン大統領への忠誠を誓い、ウクライナ紛争でロシア支持を表明

ハリウッドスターのスティーブン・セガール氏が、ロシアのウクライナ侵攻を支持するドキュメンタリー映画を制作し、ロシア国営メディアで公開された。映画の中でセガール氏は、ウクライナ東部の激戦地マリウポリを訪れ、ロシアの主張に沿ってウクライナ側を非難する様子が映し出されている。

セガール氏、プーチン大統領への手紙で「必要なら死ぬ」と決意表明

公開された映像はセガール氏が自ら監督・出演したドキュメンタリー映画「正義の名の下に」の一部で、約30分の内容となっている。映画の中でセガール氏は、ウクライナ軍の拠点となっていたアゾフスタル製鉄所などを訪れ、ロシア側の主張に沿ってウクライナ軍による拷問があったと訴える住民らのインタビューを紹介している。

スティーブン・セガール氏がウクライナ南東部マリウポリを訪問した様子スティーブン・セガール氏がウクライナ南東部マリウポリを訪問した様子

さらにセガール氏は、ロシアによる軍事侵攻が始まった翌日にプーチン大統領に宛てた手紙の中で、「私はあなたを支持し、あなたの側で戦う」と明言し、「必要であればあなたの側で死ぬつもりだ」とまで言い切ったという。

NATO拡大を批判し、「これは善と悪の戦い」と持論展開

セガール氏は、ロシアによるウクライナ侵攻は「西側諸国が長年かけて計画し、ウクライナに潜入してナチスを訓練した結果だ」と主張し、NATOの東方拡大が現在の状況を招いたと批判した。これは、ロシア政府が主張する軍事侵攻の正当化論理と同様のものだ。

セガール氏は「私は自分をロシア人だと思っている。これは善と悪の戦いであり、神は我々の側にあると信じている」と述べ、プーチン大統領への強い忠誠心とロシアへの帰属意識を露わにした。

ロシアとの深い関係を持つセガール氏、プーチン大統領から国籍付与も

セガール氏は、映画「沈黙の戦艦」などに出演したハリウッドアクションスターとして知られる。2016年にはロシア国籍を取得し、プーチン大統領から直接パスポートを授与された。2018年にはロシア外務省から米露関係の交流を担う「特別代表」に任命されるなど、ロシア政府との親密な関係を築いてきた。ロシアメディアによると、セガール氏の父方の祖父はロシア出身だという。