イスラエルの止まらない「暗殺」、30歳未満が決定…「生存本能むき出し」で終わりは見えないのか?

イスラエルとハマスによる戦闘勃発から1年。戦火は周辺国に広がり、多数の犠牲者が出ています。イスラエルは敵対勢力の指導者や幹部を次々と暗殺、その強硬な姿勢は「生存本能に基づく戦闘モード」とまで言われています。終わりが見えない中、イスラエルを止めることはできるのでしょうか?

若きエリートたちによる「暗殺会議」

イスラエルは、ハマス、ヒズボラ、イラン革命防衛隊などの指導者や幹部を、イスラエル本土から遠く離れた場所で次々と暗殺しています。その手法は徹底的で、地中貫通爆弾など最新兵器も投入し、「敵はどこにいても確実に殺害する」という強い意志が感じられます。

イスラエルで暗殺作戦の許可権限を持つのは首相だけですが、実際の作戦立案は軍や諜報機関の若手幹部が行っています。イスラエルの諜報・特殊作戦の専門家であるロネン・バーグマン氏によると、暗殺の決定を下す会議の出席者のほとんどは30歳未満とのこと。若きエリートたちが、国の安全保障を左右する重大な決断を下しているのです。

かつては機能していた「抑制」

かつてイスラエル国内では、暗殺作戦で民間人に犠牲者が出ると、メディアが批判し、政府や情報機関内部でも議論が巻き起こりました。民間人、特に女性や子供が犠牲になる可能性があれば、攻撃が見送られることもあったといいます。

イスラエルは民主国家として、一定の内部統制機能を備えていたと言えるでしょう。しかし、現在はそのような抑制が効かなくなっているようです。軍事行動や暗殺作戦を批判するメディアはほとんどなく、政府の強硬姿勢を支持する声が大きくなっています。

イスラエルを止めることはできるのか?

イスラエルの強硬姿勢の背景には、周辺国からの脅威に対する強い危機感があります。しかし、暗殺という手段は、更なる憎しみを生み、泥沼の戦いを招く可能性も孕んでいます。

国際社会は、イスラエルに対して、対話による平和的解決を求めていますが、現在のイスラエルは「生存本能」むき出しの状態であり、終わりが見えない状況が続いています。

イスラエル軍の空爆で立ち上がる煙。レバノン保健省は10月1日、イスラエルによるレバノン全土への空爆により、過去24時間で55人が死亡、156人が負傷したと発表した=2024年10月1日、レバノン南部キヤム - 写真=ABACA PRESS/時事通信フォトイスラエル軍の空爆で立ち上がる煙。レバノン保健省は10月1日、イスラエルによるレバノン全土への空爆により、過去24時間で55人が死亡、156人が負傷したと発表した=2024年10月1日、レバノン南部キヤム – 写真=ABACA PRESS/時事通信フォト

イスラエルの止まらない「暗殺」は、一体どこへ向かうのでしょうか?