ネイティブ発音はなぜ笑われる?EXITが分析する「賢い笑い」の正体とは

議員のネイティブ発音に議場爆笑?

先日行われた参議院本会議での一幕が話題を呼んでいます。日本維新の会・浅田均議員が、石破総理の提唱する「アジア版NATO」構想について質問した際、「NATO」を「ネイトー」とネイティブに近い発音をした後、「ナトー」とカタカナ英語で言い直したところ、議場から大きな笑い声が上がったのです。

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この出来事に対し、SNS上では「帰国子女がイジメられる原因」「ネイティブ発音を尊重しないから日本人は英語ができない」といった批判が噴出。しかし、お笑いコンビEXITのりんたろー。さんと兼近大樹さんは、『ABEMA Prime』に出演した際、「笑った人たちは馬鹿にしていたわけじゃない」と指摘。笑いのプロとしての分析を披露しました。

EXITが解説する「議場の笑い」の真意

兼近さんは、議場の笑いが起きたタイミングから、周囲の議員がネイティブ発音を馬鹿にした行動ではないと分析します。

「お笑い芸人として、何を言ったらウケるか滑るか、ある程度把握しています。ウケる理由は、ずれているかいないか。子どもが多いところと、大人がいっぱいいる会社でなら、それに合わせたしゃべり方、ウケるやり方をする。あそこに笑いが詰まっている」

この前提を踏まえ、今回の「ネイトー」発言については、

「言い直さなければ絶対にウケていない。『ネイトー』とそのまま進んでいたら笑わないところだとみんなわかるし、言い直したから『なんだ、間違えていたんだ』の笑い。だから正直、あそこで笑っていた人たちは馬鹿にした笑いじゃない」

と断言。つまり、ネイティブ発音をしたこと自体ではなく、わざわざカタカナ英語に言い直した一連の行動が、笑いを誘ったというのです。

「賢いからこそウケた」?EXITの鋭い分析

りんたろー。さんも、技術的な視点から分析を加えます。

「馬鹿にしている笑いなら『ネイトー』でもっと笑いが来るはず。ボケと笑いまでの秒数は、めちゃくちゃ考える。あれは逆に『わざわざ言い直さなくていいよ』の笑いだった」

さらに兼近さんは、

「あそこにいるのは賢い人たち。賢いからこそ『ネイトー』を『ナトー』と言い直したからウケた。あれは学生だったら『ネイトー』と言った瞬間ウケていたはず。賢いからこそ言い直して『ネイトーは本場の発音だよな』が理解できるからウケている」

と補足。SNS上では笑いに対して批判が出ているものの、その批判と議員たちの笑いの理由には、ずれがあると指摘しました。

まとめ

EXITの分析によれば、今回の議場の笑いは、浅田議員のネイティブ発音を馬鹿にしたものではなく、むしろ「賢い笑い」だったと言えるかもしれません。

この出来事をきっかけに、日本における英語教育や、ネイティブ発音に対する意識について、改めて考えてみるのも良いのではないでしょうか。